2012年01月23日

7.猟の環境。

7.猟の環境。

  7-1.宿と食事に付いて。
宿はモーテル又は狩猟用のロッジになります。シャワーはありますが風呂はありません。
一応一つの部屋が与えられます。高級ではありませんがまずまず良好と言って良いと思います。朝夕の食事はガイドが作ってくれます。ご飯とみそ汁、それに朝は目玉焼程度、夜は少しNZ風が1品程度です。グレードアップを望まれる方は近くのスーパーで好みの食材を購入して自分で調理する事も又あまり高度な調理は期待出来ませんが調理してもらう事も出来ます。昼食はサンドイッチ等を購入します。

NZは自国の農産物を汚染から保護する為にかなり持ち込み制限があります。卵類、肉類、鮭鱒類、野菜や果物は一切ダメです。つまみ類の持ち込みはダメ元のつもりが必要です。
缶詰め類は大丈夫です。酒はワインやビールの類は安くておいしい物が現地で入手出来ますが、日本酒や焼酎の場合は現地で売っておらず、日本からは持ち込めますので持参がよろしいでしょう。お酒の飲み方は食事を美味しくする限界を超えてはなりません。ガイドは酒を飲みません。


  7-2.トロフィーの加工&輸送。
この部分に付きましては基本料金内には含まれず全額が本人持ちになります。先回は赤鹿、ファロー鹿、ワイルドゴートの3つのトロフィーの加工と送付を依頼しました。形状は何時も我々がやっているオデコ切りです。但し輸送コストを大幅に減少させる為に片方の角は根元でカットしジョイント加工を施し、合計530NZ㌦を支払いました。それほど高くない加工費だと思います。(日本到着は約4か月後でした。)
その明細は下記の通りです。
    ジョイント加工:75㌦ x 2頭 クリーニング :60㌦ x 3頭
    梱包費    :50㌦        輸出書類代  :150㌦
       合計    530NZ㌦(約35000円)& 運賃(120NZ㌦でした)

今回は大きな獲物もなくトロフィーは消毒してもらった上で持ち帰りましたので特にこの方面の料金の発生はありません。


帰国後ピーコック、ターキー、ワイルドブルのトロフィーを作って見ました。
また2010年度の赤鹿、ファロー鹿、ワイルドゴートのトロフィーも載せて見ました。


 ピーコック全体の20%を使ってトロフィー。 4羽の中で1晩綺麗なターキーで作りました。 


   ワイルドブル、中央上部が458の命中箇所。          角長53cmのワイルドゴート。


                      角長99cm.12ポイントの赤鹿。


                         角長58cmのファロー鹿。

                    

  7-3.NZの銃砲店。
世界の銃メーカーはアメリカとヨーロッパに集中しています。アメリカと言えば銃の国、アメリカのハンターが使っているのはレミントンやウインチェスターがメインかと思えますが実際はそうではなくそれらはやや少数派です。実際に多数使われているのはルガー、マーリン、サベージ、モズバーグ等々の日本的に言えば2流メーカーの銃です。

散弾銃のトップメーカーであるペラッツィの社長が言っていました。「オリンピックのメダリストの多くが我々の作っている銃を使っている。」「しかし我々の作った100万円以上の銃を使えば誰でもメダルが取れるかと言えばそれはノーだ。」「それどころか3流メーカーの銃を使っても我々の銃を使ってもその差は殆んど誤差範囲以下だ。」「しかし世界のトップになる為には600点満点の595点代後半が必要だが、この最後の1~2枚の時には他の高級銃メーカーの物よりも我々の作った銃の方が確実に役に立つだろう。それは結果が示している。」

オリンピックでメダルを取るにはそれなりの高級銃が必要ですが、通常のハンティングには道具の優劣は殆んど誤差範囲で必要なのは獲物に負けない肝だけなのです。アメリカのハンターもNZのハンターも普及品の銃を使う理由はその銃を使っても数倍高価な銃を使っても特に性能の差が無い事を知っているからなのです。

しかし使っている銃と憧れている銃は別物で、近年はインターネットの普及により世界的に情報差が少なくなり、又メーカーも魅力的な新製品や普及価格の新製品を出すなど世界差は少なくなりつつあります。
日本でも人気のある銃はここNZでもやはり人気があり、殆んど傾向は同じと言えます。

しかし違う点も幾つかあります。まず目に着いたのが日本で全く見られない日本製のホーワ1500のライフル銃、中級品ですがコストの割によく出来ているとの評判です。他に安売りメーカーとしてロシアのバイカルや中国のノリンコが安価な商品を供給しています。

銃は以前では田舎の雑貨屋のコーナーにもありましたが、数年前の法律改正で銃置き場は鉄格子で囲わなくてはならなくなり、小さな町の雑貨屋では弾だけで銃の姿を見る事は無くなりました。

中程度以上の町に行けば釣り具やキャンプ用品の店が銃や弾も取り扱っている店があります。極めて普通に銃のコーナーや弾のコーナーが釣り具のコーナーと並んでいます。これはアメリカ以上に銃を使える機会があるからなのです。

銃の価格も日本よりはかなり安いです。ベネリM2は19~23万円、レミントン11-87は10.6万円、サコー85は18.5~22万円です。ホーワ1500は10万円程度からカスタムが出来る事でかなり好評です。

しかし安価な方面ではバイカルやノリンコは2.8~4.3万円で狩猟用のライフルやショットガンが買え、モシンナガンの軍用ライフルなどは新銃でも1.8万円の価格が付いています。
ピストルも一般の銃砲店には置いてありませんが条件付きで所持は可能です。CZ75が11.4万円、ベレッタ92Fが11.7万円、S&WのM629が12万円です。

弾の価格は12番の狩猟用が25発箱で1000円強、安売りの射撃用は600円、308が20発箱で4200円程度、安売りの308は2300円、22LRは500発の箱で6300円でした。(NZ㌦は2011.7.で71円/NZ㌦)


  片方はフィッシング、反対側はハンティングのコーナー、他方はキャンプ用品のコーナーです。


  銃は法律改正で鉄格子の中になりましたが、安売りの弾は床にそのまま積み上げられています。
  中央に高く積み上げられた箱は散弾の250発箱です。この単位の取引が多い様です。



  7-4.NZのハンティング雑誌。
2010年の赤鹿撃ちのラハーファームのロッジには表紙にSIKAと大きく書かれたシカディア特集号のハンティング雑誌がありました。ページを進めると鹿と言う漢字や英語でスクールや北海道とも書かれています。更にページを進めると驚いた事に何と筆者の写真が出ているではありませんか。
鹿や自然の写真はNZの物と思われますが、ここでこの雑誌に出会ったのも何かNZとの縁を感じます。


 写真左:ハンティング雑誌の表紙。角長65cm程度、このクラスなら毎日捕獲出来ます。
 写真右:スクール関係記事の最初の頁。写真の鹿は斑点がありエゾ鹿ではないと思います。


 
     記事の内容の頁-1。           記事の内容の頁-2。


  
  私の写真部分だけを右に拡大しました。
 上段写真:ベストトロフィーとなっておりますが現在NO.3。写真を送った時点ではNO.2でした。
 中段右写真:上段写真と同じ鹿で02年紋別にて捕獲。現在もこの記録は破られておりません。
 下段左写真:04年20日間で捕獲した鹿で雑誌では1シーズン(NZ感覚丸1年)と書かれています。
 下段右写真:筆者の飛び道具研究の資料室です。


これらは2005年にAU横断旅行をした際に田舎の銃砲店で偶然出会った雑誌記者の求めに応じて帰国後に日本の狩猟に付いて書いて送った物だったのですが、すっかり忘れていました。まさかNZのここで出会おうとは夢にも思いませんでした。雑誌は英語ですから内容は良くは分かりません。しかしかなり適当に書き換えられている様です。例えばトロフィーずらりの写真は英文の説明は1シーズンの捕獲量となっていますが実際は2004年11月初めからのたった20日間の捕獲量です。

私は日本語でそれを正しく書いて送ったのですが、雑誌では1シーズンとなっておりました。NZでは鹿がフルシーズン撃てますので多分1シーズン=1年の捕獲量として読者に理解されると思います。しかし1年間で見ても驚異的な捕獲量らしく本当は20日間と聞いたらNZの読者にはきっとアンビリーバブルを通り超えてクレージークラスなのでしょう。
NZのガイドの加藤氏もこの桁違いの捕獲量にはびっくりしていました。これらの事も北海道の鹿猟場が世界的に見ても如何に抜群に優れているかの証明になります。

NZの狩猟雑誌にもう一つ北海道の素晴らしさを裏付ける記事がありました。 
  NZのハンティング雑誌にはメス又は子供の鹿の写真がずいぶんたくさん出ています。
  北海道でしたらまず撮らない写真ですが、NZでは撮るに値する写真なのです。
  それは半日間でしたが本当の野性鹿の猟場を見せて頂く機会があり分かりました。鹿の姿は見ず
  に終わりましたが、新しい足跡や糞が大量にあり、北海道のエゾシカ並みの鹿の生息量を確信し
  ました。

  しかしここは年中温暖で緑が枯れない為に鹿は全く移動しない動物との事です。そうなって来ま
  すと余程のベテランハンターでない限り何時も鹿の一方勝ちに終わり、こう言う猟場での大物
  捕獲は殆んどあり得ない状態になります。結果として獲れるのはかなり若い個体に限られます
  が、それでも本物の野性の鹿を捕獲したと言う誇らしげな写真があれだったのです。
  
  NZは間違いなく狩猟天国であり鹿も豊富です。しかしたくさん生息している事と捕獲が容易かと
  言う事は全くの別問題だったのです。


北海道なら純野性の角長65cmクラス(雑誌の表紙の鹿クラス)の3段角であれば掃いて捨てる程とは申しませんが、出会った数頭に1頭がそのクラスです。3段角であっても70cmを超える様な大物でないと写真を撮る気があまり起こらない程ですから自然物は小物やメスしか獲れないNZとその差は非常に大きいと感じます。






同じカテゴリー(海外狩猟)の記事画像
1.ニュージーランドの概要。
4.今回の使用銃&装弾の紹介。
5.実猟の紹介。
番外編:2010年シカ猟。
8.後書き
NZ猟の掲載が予定されていたF誌がなくなってしまいました。
同じカテゴリー(海外狩猟)の記事
 ニュージーランド猟の紹介。      (2012-01-23 11:55)
 0.海外狩猟の魅力。 (2012-01-23 11:38)
 1.ニュージーランドの概要。 (2012-01-23 11:36)
 2.ニュージーランドの歴史。 (2012-01-23 11:34)
 3.NZの狩猟鳥獣とライセンス制度。 (2012-01-23 11:31)
 4.今回の使用銃&装弾の紹介。 (2012-01-23 11:29)

Posted by little-ken  at 10:11 │海外狩猟