2012年01月23日

4.今回の使用銃&装弾の紹介。

4.今回の使用銃&装弾の紹介。

  4-1.ワイルドブル猟:

BSA モデルCF ボルトアクションライフル イギリス製。458ウインチェスターマグナム弾頭重量500gr 初速2040ps エネルギーは4712ft-lbsです。
青年時代のアフリカ猟のテレビ番組を見て以来ずっと憧れていた銃です。

BSA (Birmingham Small Arms Company)はかつて空気銃から軍用ライフルまで製造していた総合銃器メーカーでした。又オートバイメーカーとしてもかつては名門でした。狩猟用ライフル銃も22~458口径まで各種を揃えていました。今では空気銃の生産を除き企業活動しておりません。日本では殆んど使っている人はいませんが、空気銃だけは数年前まで輸入されていました。

458ウインマグはアフリカの大物ゲーム用に作られたカートリッジで308の約1.8倍のエネルギーを持っています。375H&Hマグナムのケースを72.4mmから63.5mmに短縮し、ネックダウンを行わずそこに45口径11.6mmの弾頭を直接取り付けたカートリッジです。
このケースをネックダウンした物に338ウインチェスターマグナムや7mmレミントンマグナム等があります。参考までに日本では10mmを超える口径は所持出来ません。


  4-2.鹿類&ワイルドワイルドゴート猟&ピーコック猟:

SAKO 75バーミンター改 ボルトアクションライフル フィンランド製。308ウインチェスター 弾頭重量150gr 初速2820fps エネルギーは2648ft-lbsです。

サコーは小口径から超大口径の軍用銃(砲)までを製造する総合銃器メーカーですが、現在はベレッタ社の傘下にあります。量産銃でありながらカスタム銃並みによく命中する高品質が受けて他メーカーに比べて1.5~2倍高価であるにも拘らず世界中で良く売れています。銃の特徴として安全装置を掛けた状態でもボルトのロックだけを解除する装置が付いており、安全に抜弾が出来る事です。

バーミンターモデルには重銃身が付けられており、より安定した射撃が出来るモデルです。本銃は改が付いておりますが筆者の愛銃です。筆者が重銃身を選んだ理由はムービング射撃時のスイング安定性を重視したからですが、重い銃や長い銃身は射撃時にはプラス方向になりますが携帯に不便です。この為に全長を7cmカットし、ストックの軽量化等も合わせて重量を0.5kgほど軽減しました。

ピーコック猟に308が使われるのは意外と思う方も多いと思いますが、ピーコックは150m以上の距離で超早立ちする為にショットガンも22LRも弾が届かないからです。


  4-3.ポッサム猟&ウサギ猟&ターキー猟:

ルガー 10/20 スタンダードモデル アメリカ製。22ロングライフル、弾頭重量40gr 、初速1255ps、エネルギーは140ft-lbsです。

ルガーはスタームルガーが正しい名称でアメリカンルガーとも言われており、小口径から大口径までのピストルを含む総合メーカーです。丈夫で良く当たる銃を安価に作る事から今では猟銃メーカーとしてもレミントンを抑え、ピストルメーカーとしてもコルトやS&Wを押さえてアメリカのNO.1メーカーです。この22ロングライフルはリムファイアー(LR)です。

308に比べると5%程度の小さなパワーですが、こと50m以内であれば非常によく当たります。日本では禁止されている口径ですが欧米等では小動物や中型以上の鳥猟等にもよく使われます。


  4-4.ターキー&ピーコック猟:

SKB セミオートショットガン 12番 2.75インチ薬室 24インチ銃身 日本製。Std狩猟用装弾 :弾頭重量32g 、初速1300fps、エネルギーは1852ft-lbs。

本銃も筆者の愛銃です。かつては日本にも散弾銃メーカーは数10社もありましたが、今ではミロクだけを残し、このSKB社も2009年に営業を終了しました。社名は創立者の名前SAKABAから来ております。本銃の特徴はレミントン等に比べて軽くて動バランスが良い事です。

本来長い銃身の方が射撃時には良好なバランスなのですが、しかしその時の銃の全長は130cm近くになってしまいます。射撃重視で行きますと銃身長は30インチ前後がベスト、しかし私は携帯性も重視して24インチ銃身を取り付け、不足する先端重量を補う為にフロントにバランサー重りを取り付けました。

装弾は24gの軽いトラップ射撃用装弾から35gのマグナム装弾まで使用出来ますが、最も良いパフォーマンスは標準装弾の32gで得られます。また命中粒数の少ない大粒散弾よりも限度はありますが小粒散弾で多数粒を命中させた方が高い効果が得られます。もう一つの条件で多数粒を命中させるには強い絞りの銃身の方が良く本銃も交換式チョークですが何時もフルを使っています。

散弾銃のメリットは向けるだけで撃てる素早い指向射撃とその連射にあります。従って獲物への射撃時間が長く得られる鴨撃ち等には散弾を少しばかり多くバラ撒く事や多少の高エネルギーマグナムによって連射リズムが乱れるよりも標準装弾によるスムーズな連射で2発目を追加命中させた方が遥かに高い効率が得られるのです。


  4-5.パラダイスダック猟:

フランキ バイオマス912 セミオートショットガン12番 3.5インチマグナム イタリア製。高速スチール装弾のスペック:弾頭重量39g 、初速1550fps、エネルギーは3210ft-lbs。
弾頭重量64g鉛装弾~2.75インチの標準装弾まで撃てます。

フランキは古くから世界的な猟銃メーカーで主に散弾銃が得意です。有名な軍用散弾銃スパス12のメーカーでもあります。現在はベレッタ社の参加です。

3.5インチマグナム弾は環境の鉛汚染問題からスチール装弾に主流が置かれる2000年頃から商品化されました。スチ―ル散弾は鉛散弾より容積を1.5倍必要とし、また比重の軽い散弾は遠射時の弾速低下から不利になりがちです。その為に更に大粒散弾を大量に打ち出したいと言う要求から本装弾は生まれました。

アメリカではこの要求に答える為に古くから10ゲージがありましたが、現在ではこの12ゲージの3.5インチマグナムが主流になっています。通常はある程度の連射バランスを考えて飛行体の重量は40g前後ですが、これに鉛散弾を目一杯詰めた64gのスーパーマグナム弾もあります。ターキー猟の様な林間の一瞬の射撃チャンスしかない時にはこの散弾量の多さを利用してやや緩いチョークで撃つ事が有効に働きます。


  4-6.レンタル銃:
銃無しで来られた方のレンタル用として上記以外にも下記の銃が用意されています。
加藤ガイドの見積り1式にはこのレンタル銃及び弾薬代も含めれていて非常に親切です。もちろんですが他にショットガンもあります。

ブルーノ CZ527 口径223レミントン チェコ製 セットトリガー付ブルや大物鹿以外にはオールマイティーの銃です。

ホーワ 1500 口径7mmレミントンマグナム 日本製 海外では高い評価です。ブルや大物鹿猟に向いています。

アリサカ 38式改 口径25-06レミントン 日本製 旧日本軍の38式歩兵銃をストックやバレルを変えた物でオリジナルの刻印付です。彼のお気に入り銃の一つです。ブルを除く全ての猟向きです。

サベージ 117 口径30-06スプリングフィールド アメリカ製ブルを含む全てに使える銃です。

モーゼル 98改 25-06レミントン ドイツ製 旧ドイツ軍の軍用銃をスポーターに改造した銃で、現在のボルトアクションの原型になった銃で丈夫で信頼性があります。



  登場した銃を全部並べてみました。右2丁は散弾銃、共に左より側がハイパワー銃です。
    左からBSA CF、ホーワ1500、サベージ117、モーゼル98改、アリサカ38式改
          サコー75改、CZ527、ルガー10/22、フランキ912、SKB1900改。



4―7.使用カートリッジの比較:

    今回の使用カートリッジ左から22LR、223レミントン、308ウイン、458ウィンマグ、
     12GA Std、12GAx3.5インチマグ、なお223は使う機会がありませんでした。


22LRは殆んど無反動で発射音もおもちゃレベルの「パチン」です。写真で見ても本当に撃ったのかと言うレベルです。

308はそれに比べるとびっくりする位の大きな発射音と鋭い反動が「ガン」と来ます。銃の事を「ガン」と呼ぶ事が分かる気がします。12番の32g標準装弾に比べると反動的には同程度かこちらの方がやや大ですが1番の違いはその鋭さです。その為にあまり銃口は跳ね上がりません。

458は308よりやや大きな音と「ガ~ン」と来る反動です。エネルギーは308の1.8倍ですが反動は4~5倍位に感じです。このクラスが通常の人で撃てるパワーの限界付近です。

ショットガンの音と反動はこれに対してライフルとは全く別物になります。308の弾頭は僅か9.7gですが12番Stdの32gはその名称の通り32gを飛ばしますから3.3倍も重い物体を発射しています。しかし弾速がかなり遅い為にエネルギーはたった70%しかありません。反動としては体感的には308より僅かに小さいと言う感じですが、銃口は意外と跳ね上がります。

近くで聞く散弾銃の発射音はライフルに比べてそれほど小さいとは思えませんが、少し離れると急に小さくなって来ます。僅か100m離れただけで「ポン」と言うシャンペンの栓を抜く時の様な乾いた音になってしまいます。ライフルはこれに対して1km離れてもハッキリ「バーン」と銃声がします。

3.5インチマグの64g、反動の大きさ自体は458と同等レベルですが「ズ~ン」と来る反動です。エネルギーは458の67%しかありませんが、飛行体が大幅に重い事が反動には大きく関係し、更に1.5倍位大きく「ズズ~ン」と来る感じです。銃口の跳ね上がりは写真で見てもダントツです。散弾が銃口を抜けるまでに時間が長くその為に反動による銃口の跳ね上がりが大きくなるのです。

反動と言うのは銃の重さや銃身長や射手の体重等によっても変わりますが、一般にStdライフルである308や30-06の2倍弱が通常の限界でこれより大きなエネルギーの銃は扱いが難しくなって来ます。ショットガンでも同様に12番32g のStdに対してやはり2倍弱が通常の限界です。

強力な銃自体はある意味で悪くはありません。しかし命中率は反動が少ない銃の方が良く当たります。ライフル銃の場合ですととにかく急所に命中させないと逃げられます。2倍のパワーのマグナムだから急所を大幅に外れてもすぐに倒れるかと言うとそうはいきません。鹿クラスの場合ですとその場で倒すには直径10cm程度に命中させなければなりませんが、パワー1.5倍のマグナムで撃つとこれが直径15cm弱に広がる、つまり±2.5cmまでならズレが増えても倒れると言う程度の効果しかありません。

ショットガンの場合、反動の軽い弾は一般的に飛行粒数が少なくなって距離が少し離れると必要密度を保てなくなってしまいます。その有効度は距離の3乗に反比例して低下しますので1.5倍のマグナムを持ってしても14%増しの距離までしか延長出来ません。
と言う事でどちらの銃もマグナムになると何倍も効果がある訳ではなく、効果は意外と少ないのです。一方でその割に弾や銃が高価であったり、反動が大きい等の命中し難い要素も増えますので実際は適当な所での妥協が必要になります。





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Posted by little-ken  at 11:29 │海外狩猟