2011年09月19日

ライフルハンターの究極の射撃。ボルトは自動より速い。

  ライフルハンターの究極の射撃。
ライフルハンターに取って究極の目標とは次の4つではなかろうかと思います。
1.大物の捕獲、2.複数射穫、3.遠射、4.ランニング射撃 の4つですが、
今回はランニング射撃をメインに説明します。

元々動物は動く物と言う字で現されている通り、止まっている事もあると言う程度です。
散弾銃はバラ弾をバラ撒くと言う事で動く標的にも当て易くなりました。そしてチョークの発明によって飛躍的に遠くまで適正散弾パターンを送る事が出来る様になりました。

しかしこの偉大な2つの発明の合作でも散弾の射程は50m以内、これを超えるとライフル銃の世界となりますが、ライフル銃は走っている鹿に対しては不可能とも言われております。
動物は動く物と書くのですから止まっている物しか撃てないライフル銃は大きな欠陥を持っている事になりますが、一方射程がたった50mではこれまた動く物が撃てるとは言え散弾銃も大きな欠陥を持っている事になります。

しかし今や私のライフルは150m前後の走る鹿をそれ程外しません。この150mと言う距離はサボットスラグの遠射限界であり、巷のベテランライフルハンターにとっても止まっている鹿に対して少し怪しげになり始める距離です。
普通に考えたら止まっているのに外れるかもの距離で走っていたら当たる筈がありません。


  走っている鹿に当てる。
映画では主役の銃は向けて撃つだけでパカスカ当りますが、あの様な事は可能なのでしょうか? 答えとして普通のベテラン程度では不可能ですが、優れた人がそれ用の特訓をした場合には可能だと思います。

ライフルの弾は3~4km飛びます。1km以上飛んでも十分過ぎる殺傷力が残っています。
走っている鹿にもその未来位置に正確に弾を送り込む事が出来れば十分に捕獲出来る可能性はある筈です。
そう思ってかなり出会いの技術が上がって来た鹿猟15年目の頃からランニング射撃にチャレンジしました。(スクールでは上級者しか連射チャレンジ出来ません)

1998年、筆者はランニング中の鹿に当て様と思い立ち、当初は連射に専念出来た方が良かろうとセミオートのH&KのSL7を選びました。そして色々考え且つイメージトレーニングを何年にも渡り行いました。
5年程(実猟約100日と2000~3000発)でそれなりの成果を得られランニングも100m程度までの鹿に平均5発程度で倒せるまでになりました。

当てる秘訣はと言いますと、一旦目標の中心を追尾し、その後に銃のスイングを加速し、目標を追い越した所で引き金を引きます。
この時の当てる為の絶対条件は銃のスイングを止めない事&目標を再確認しない事の二つです。

そして撃つ時は何も考えない、何も見ないで撃ちます。見て撃つと見ている映像はかなり古い物ですから過去の虚像を撃つ事になります。見て撃つ事は理論的に完全に間違っていますからこの手法では絶対に当てられません。
この特殊技術は一朝一夕に出来る事ではありませんが専門の特訓をクリアすれば誰にでも出来る様になります。

  ボルトアクションは自動銃より連射が速い。
今は精度と装填音のしない事を重視してボルトアクションのサコー75バーミンターを使っています。
サコー75は驚いた事に使い慣れてみるとセミオートのH&Kの時よりも速く連射出来るのです。

ライフル銃は撃つと反動で銃が跳ね上がり目標がサイトから消えてしまいます。
自動銃は肩に付けた状態で標的を探し直します。目標のあるべき下方向に銃を向け直し、目標をスコ-プに捕らえ直してから、再度追尾、次いでスイング加速に入ります。

ボルトアクションでは撃ったと同時に肩から銃を降ろして手動装填しながら再度肩に付け直しますが、目と体は目標を追尾しておりますので銃が肩に付いた時には目標が殆んどサイトの中央に捉えられており、微修正と加速スイングを同時に行いすぐに発射できるのです。

元々銃を構えると言う事は散弾銃もライフル銃もそれぞれのフォームになりますが、
発射直前のフォームから銃だけ出し入れをする感じが正解なのです。

つまり発射を決意した瞬間に体の各部は同時に最終姿勢に向かって最短距離を経由して射撃フォームに入ります。
一方で銃の側もそこに向かうのですが、これは最短距離ではなく銃身で目標を指差す様にして肩にまっすぐ引き入れます。

銃が肩に付く直前に撃ってもすでに銃はかなり正しい方向を向いていますから散弾銃もライフル銃も50m以内なら当たります。最終的には散弾銃もライフル銃もこと移動標的同士であれば撃ち方はそれほど変わりません。

結果的にはセミオート銃の時に比べてボルトアクション銃は時間的にも1.5~2倍位速く、それでいながら命中精度も2倍ほど位良くなりました。またH&Kでは100mのランニングまででしたが、サコーにしてからは150mも問題なく決められる様になりました。

2009年の記録から計算しますと55頭のランニング中の平均距離150mの鹿に対して捕獲までが平均2.7発でした。以前は100mを平均5発ですから著しい向上です。
そしてライフルのマガジンは5発ですからこれだけで日常的なダブル捕獲はもう完全に達成直前です。

その手の世界的な銃専門雑誌にもボルトアクションの連射はこうするのだと言う感じで肩に付けたままボルトを操作しておりますが、あれは完全に間違いです。
そのレポーターは少なくとも連射に関してだけは私より桁違いに技術レベルが低いと思います。

サコー75バーミンターとH&KのSL-7の集弾特性は後者のH&Kの方が僅かですが勝っています。
前者が17mm、後者が12mm、共に150mレストを使わないテーブル撃ち5発の結果です。
ところが実際に300mの遠射をしてみるとサコー75の方が圧倒的によく当たります。

座りが良いと言う感じでまだまだ未熟ですからバイタルゾーン直撃のクリーンキルとまでは行きませんが、サコーにしてからは300mをあまり外さなくなりました。夢であった300mの遠射も達成直前まで来ております。

今までのサコーのお陰で5発5中のランニング射撃は3回決める事が出来ましたが、2011年度からは前半猟期はオスも捕獲制限が無くなりました。現在の夢は何時か80cm級超大物の群れの5発5中をやってみたいと思っています。

オリンピックで金メダルを取ろうとしたらその世界ランキングのコーチが不可欠である様に、高い技術レベルを目指すのであればそれに応じたレベルの高い集団に属するか良い師に付かなければなりません。

300mの遠射、200mのランニング射撃、ショットガンの秒速3発の超速射射撃、どの項目も情熱があれば技術が育ち、技術があれば当てられるのです。(良い師も必要です。)

あなたもこれを目指してチャレンジしてみませんか? 
まずは第1歩が必要です。読者諸氏の第1歩の踏み出しを私リトルケンは待っております。






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Posted by little-ken  at 17:21 │射撃&銃&弾