2012年01月23日

5.実猟の紹介。

5.実猟の紹介。
今回の行程は次の様な日程で行われました。皆さんの関心のある鹿撃ちが今回は含まれておらず、2010年のNZ猟の物を最後に番外編で紹介致します。

   Day1:PM日本発オークランドへ。                         機中泊。
   Day2:朝オークランド到着、車でフネアパイへ、
                       ジェット戦闘機等操縦、夜タウマルヌイへ移動。同泊。
   Day3:AMは試射、PMワイルドゴート猟、                タウマルヌイ泊。
   Day4:AMはワイルドゴート猟、PMはターキー猟、夜はポッサム&ラビット猟、タウマルヌイ泊。
   Day5:AMはワイルドゴート猟、PMはストラスフォードへ移動。    ストラスフォード泊。
   Day6:ワイルドブル猟、                       スラストフォード泊。
   Day7:グライダー操縦、PMはオポノミに移動、                オポノニ泊。
   Day8:AMはピーコック猟、PMはパラダイスダック猟、      夜オークランド移動、同泊。
   Day9:朝オークランド発。                           夕方日本着。



この日程で予定捕獲量はワイルドブル1頭、ワイルドゴート10頭、ポッサム多数、パラダイスダック30羽、ターキー2羽、ピーコック2羽とNZ国内の殆ど猟に関する1式(戦闘機操縦等を除く)全てを含んで6500NZドル(46万円程度)です。銃レンタルも弾代も宿も食事も概ね全てが含まれます。(日本からNZまでの航空券約11万円は含まれません。)


  Day日本から出国。2011.6.24.
筆者の自宅は名古屋の近くですが、現在は名古屋からのNZ便はありません。繁栄期には名古屋駅新幹線口から関西空港までNZ航空の無料バスが運行されますが今は運休中の為にマイカーで走りました。駐車場代や通行料や燃料代で片道1万円強の臨時出費です。

搭乗手続きは何時もの通りですが、問題は銃の持ち込みです。窓口カウンターで銃である旨を申し出ますと航空会社が税関に連絡を入れてくれて税関職員が来てくれます。
税関職員と共に別室に行き、持ち出し書類(事前申請)のチェックと銃番号のチェックがあり、担当官が持ち出し書類の裏面に出国確認のコメントを記入して終了、その後は税関職員立ち合いで航空会社窓口に銃を預けます。銃の追加運賃としては2500円でした。
    (鍵の掛かる頑丈なケースが必要です。鍵は錠前でもOK、金属製でなくてもOK、2万円位)


 左写真:経済産業省の銃の輸出許可証。弾にも銃と同様に別の輸出許可証が必要です。
 右写真:NZ国内の銃の携帯許可証。ガイドが無料で代行してくれます。窓口で25㌦必要。



  DayNZへの入国。
関空を夕方18:30に出発しNZオークランドには朝の8:30頃到着します。何時もの様にパスポートチェックを受けて通常のクルクルから出て来る荷物を受け取りますが銃はNZ空港警察に届けられている為に窓口に向かいます。

その空港内のNZ警察の窓口に行って書類の確認を受け銃を受け取ります。待つ事10分程でNZ国内用の臨時銃所持許可証を25㌦で発行してくれました。
その後に検疫を受けますがこの目的はNZの自然を保護する為に禁止されている食糧等が入っているかのチェックで、ここでの銃は殆どフリーパスです。

出口でガイドの加藤氏が待っていてくれますのでここから楽しいNZ猟の1週間が始まります。第1日目は筆者の飛び道具研究の別項目であるL-39アルバトロスジェット戦闘機とT-6テキサン高等練習機の操縦(これも機会がありましたらまた別の時に紹介します)、そしてPMはNZ北島中央近くの猟場であるタルマヌイまでの移動です。



  DayAM試射、PMワイルドゴート猟。
AMは試射と射撃の撮影、PMはワイルドゴート猟です。場所は北島の中央にあるタウポ湖の少し上、タウマルヌイから少し離れたオフラと言う寂れた町外れのロスさんの牧場です。2010年と同じ場所です。

ワイルドゴートもヨーロッパ人が連れて来た物です。サイズは日本鹿より多少小柄、生息量が多いので珍重されませんが、オスの角は中々立派で角長が1m近くまでになる物も稀におり、ゲームとしての魅力は高いと思います。体色は黒、茶、灰、白、ブチの各色がありますが、黒と茶が多い様です。白と茶に大物が多いと聞きます。メスにも小角があります。

2010年は片側53cm(本州鹿クラス)がMaxでしたからこれ以上が今回の捕獲目標です。牧草地はかなり急峻な山の中腹まであり、その上は森です。ワイルドゴートの住んでいるのはその牧草地と森の境界です。全部歩くとかなり大変ですが4WDバギーで近くまで行ってそこから少し歩いてアプローチ、射撃します。射撃距離は100~300m程度です。
地形と生息場所からやや撃ち上げが多くなります。


    今、谷を挟んだ250m級の射撃をしようとしています。1発で決めないとすぐに森に
    入られてしまいます。



           ノーハンティングエリアで見たワイルドゴートの群れです。
            今回はこのボス級と同格クラスを失中してしまいました。


ワイルドゴート猟は生息数が多いので無理に遠射をする必要もありません。しかしその生息場所の多くが幸いにも山の中腹ですから射撃距離を延ばす方向ならば自由に延長出来ます。300m或いはそれ以遠から遠射にチャレンジする事も出来ます。
失中のリスクはありませんし、これもこの猟の魅力なのかも知れません。撃ち方は周りに木はありませんのでニーリング又はプローンが多く、時にはバギーをレストにして撃ちます。バイポットも有効と思います。

ワイルドゴート捕獲ドギュメントその1:初日の数獲り。
まず初日は腕慣らしです。大物は居ないけれど数の多いエリアに向かいます。何時もはバギーで近くまでは行くのですが、今回の場所はそれほど遠くない事と最近はバギーで行くと撃たれる事を学習したのか逃げられ易いと言う事で徒歩で向かいました。全3時間コースです。昨日戦闘機操縦でGを掛け過ぎた為、やや体調不良です。結論から言うと20発撃って6頭を捕獲しました。

歩き始めて20分、最初の4頭群れを発見、150mのニーリングです。初弾は命中しましたが今一つ急所から後方にずれた様です。まだ動いていますのでもう1発撃って止めました。

次いでしばらくの後、120mで2匹の群れ、ニーリングから撃ちますが、初弾失中、少し走って止まった所で2発目を撃ち命中しました。まだ調子が今一つです。回収は後刻バギーで回り、牧用犬のドッグフードになります。

30分後、今度は260mで10頭ほどの群れが居ます。立ち木に半依託で撃ちますが、当たりません。その後2発を撃ちましたが全弾失中です。同じ場所ですぐ近くの谷から1頭が先ほどの銃声で出て来ました。90mでこれを捕獲。

登りを20分ほど歩きますと190mに4頭の群れが居ました。距離は近く位置関係も撃ち頃なのですが、登りのせいで息が安定しておりません。3発撃ちましたが全て失中です。すぐ隣の沢からまた2頭が出て来ましたが、これも210mで3発失中してしまいました。調子が上がりません。

下りを30分ほど歩きますと240mに8頭の群れが居ます。今度は息も上がっておりませんし、プローンで良い依託台がありますから当たると思います。1発目、命中、次いで少し走って止まった所でもう1発命中、その後は止まりませんので270m級ウォーキングで3発を撃ちますが3発とも命中しませんでした。

また30分ほど歩き、もう車まで近くなった頃、210mに4頭を発見しました。平場のプローンで初弾命中、2発目以降はもし外すと明日に向けて気分が悪くなるので撃たない事にしました。

こうして20発を撃って6頭の捕獲と余り良い幸先ではありません。宿に帰ってドライファイアーの特訓です。


  DayAMワイルドゴート猟、PMターキー猟、夜ポッサム猟。
ワイルドゴート捕獲ドギュメントその2:高台の大猟。

低い雲の中をバギーで高台まで登ります。あまり近くまで行くと逃げられるので1km程手前で徒歩に切り替えました。この時に撮影したのが冒頭のアオテアロアの写真です。

息が上がると当たる射撃も当たらなくなりますのでゆっくり静かに進みます。少し前を行くガイドの加藤氏が急に頭を下げました。手信号でこの先に居ると言っています。背を低くし撃ちやすい場所まで行き、ゆっくり頭を上げて先方を見ますと10頭ほどの群れが150mに居ます。

プローンで僅かに撃ちおろし、良い位置関係です。まだ相手には全く気付かれておりません。数分間を呼吸整えに使い、やがて呼吸も整いました。50㎝位ありそうな群れの中で1番大きなのに狙いを付けます。ゴートがちょうど撃ちやすい角度になるのを待って初弾発射、綺麗に倒れます。

群れは何処から射撃を受けたのか分からないらしく右往左往しています。やがて立ち止まった所で第2弾を発射、これも綺麗に倒れました。今度はすぐに立ち止まりました。まだどこから射撃されているのか分からないみたいです。第3弾も命中、これも綺麗に倒れました。3発連続ヒットに気分を良くしました。

ここでやっと群れは射撃を受けている方向が分かり反対方向に逃げ出しました。しかし微少斜めの殆んど真っすぐの為にリードは不要な程の角度です。50cm程走る側の横を狙い、そこに達するを見越して引き金を引きます。達した事を確認して撃つと古い虚像を撃つ事になり失中してしまいます。

こうして4発目、5発目と連続で走り去るゴートに命中、この頃は180m前後になっておりました。5発5中、最高です。昨晩の特訓が実ったのか、はた又射撃直前の呼吸を整えた事が良かったのか、快挙です。その後3発の弾を補給し230m級ランニングを試しましたが、1~2発は当たりましたがあまり有効では無かったらしく未回収になってしまいました。


         150~180mに掛けて5発5中の快挙。左の大物の角長は48cm。

ターキー捕獲ドギュメント:
ターキーの大きさは鶏よりも遥かに大きく体重は10kg近くにまでなり、雄の顔には鶏冠が垂れ下がり赤や青の鮮やかな色をしております。体の羽の色は暗緑色のメタリックが主体ですが黒っぽく見えます。これもNZには本来は居ない鳥で狩猟用にアメリカから持ち込まれた物が自然繁殖しています。普段は走って逃げますが緊急時は見掛けによらずよく飛びます。鳥目で夜は見えないので安全な高い木に止まって寝ます。

アメリカでは非常に人気のある猟で陸鳥の中ではダントツ(水鳥のダントツはカナダガン)の人気があり、コール笛を使っての待ち撃ちがメインです。今回の場所は同じロスさんの牧場内ですが、別のエリアです。彼の牧場は3000エーカー(12平方km、3.5km四方の広さ)もあるのです。ターキーは猟犬を使う地域もあるそうですが、当地では使いません。

ここでは広い草原を走って逃げ散弾銃は射程外になってしまう事も多く、100m弱を22LRで撃つのがメインです。もっと早立ちが強い地区では223レミントン等を使い150~200mで撃ちます。NZではターキーは家畜であり、狩猟法の適用を受けませんのでライフル銃も使えます。

ターキーエリアに着きましたので車を止めて以後は歩きアプローチです。
丘を一つ越えると300m先に10羽位の群れが2つ見えます。もうこちらを警戒しています。少し迂回寄りに姿をあまり見られない様に接近します。やがて50m先にチラと見えましたが、群れの最後が目前の谷に降りる所でした。


 ターキーは前方の谷に向かって走り、その後3回中の2回は前方の斜面を掛け上がりました。
  そして3回中の1回の半分の鳥はその斜面に向かって飛び去ろうとしました。


急いで距離を詰めて谷から駆け上がる所を待ちます。まもなく先頭の群れが上がって来ました。すでに距離は50m位あります。ターキーは振り返りながら賑やかに鳴きながら早歩きで逃げます。リードを少し取ってクレー射撃の感じのスイング射撃で銃を止めずに走って逃げるターキーを撃ちます。10発マガジンが空になるまでに少なくとも3羽、希望的には5羽に命中した筈です。

ところが1羽も転がっていません。加藤ガイドが急いで弾を込めろ、次の群れが来ると言います。確かにもう次の群れが50m位の所に見え始めています。弾を込め射撃可能になる頃には100m位の距離になりました。ここから120mに掛けて又10発を撃ちました。少なくとも2羽以上に命中しました。ところがこれまた1羽も転がっておりません。

140ft-lbsものエネルギーの弾をまともに喰らってもターキーはダウンしないのです。この被弾強さには驚きました。すぐに追跡です。ところが追跡の途中でまた別の群れが谷に入るのを見付けました。これも10羽程度の群れです。先程の経験から上手く私が走り込めば距離を50m以内に出来ると考え今度はショットガンの愛銃を選びました。

幸い適当な射界の場所がすぐに見付かりそこに走り込みました。銃をスキートスタイルで構えて鳥が駆け上がるのを待ちました。
予想に反して1羽のターキーが飛び出しました。多分私の走り込みが急だった為に緊急避難術を使う事になったと思われます。そしてこの時に初めて聞いたのですが、ターキーの飛び立ちの音はまるで20mm機関砲の様な「ドッドッ・・」と言う羽音でした。

これに対して35m強で4号散弾1発、撃墜。1丁上がりです。5発フルチャージのSKBは非常に重量バランスが良いのです。次いでその銃声で3羽が殆ど同時に距離は30mで飛び出しました。3羽まとめて飛び出しはまるで20mm x 4丁の射撃音です。

トリプルトラップの様に3羽とも撃墜と行きたかったのですが、残念ながら順調にヒットしたのは3羽中の2羽目まで、3羽目には残2発を撃っても撃墜出来ず、5発を撃ち尽くしまい弾切れです。NZでは連発制限はありませんから愛銃も加藤ガイド(銃の改造や販売もしている)に5連発にして頂きました。もちろん日本に帰る時には又3連発です。

次いで飛ばなかった残りの群れが斜面を掛け上がります。普通は数羽が飛べば全部飛ぶと思うのですが、何故か彼らは走って逃げます。急いで弾を2発込めます。自動銃の利点で1発はポートから放り込み次いで閉鎖すると同時にマガジンにも1発が入れられます。銃を裏返しにする必要はありません。

ランニング射撃40mで更に2羽命中、共に転がり落ちるのが見えましたがここで弾切れ。もう予定を上回る5羽を撃墜しましたので以後の射撃を中止します。

ところが5羽転がっている筈なのですが、なぜかそこには1羽もいません。4号36g装弾を40mでまともに喰らった筈なのに全て半矢です。その被弾強さに改めて驚きます。
全員で追跡開始、私は愛銃のショットガン、ガイドの加藤氏は22LR、牧場オーナーのロスさんは丸腰で追い掛けます。

私が息も絶え絶えにやっと1羽、加藤ガイドが1羽を捕獲して残りはもうダメかと思っていた所、牧場オーナーのロスさんが2羽ぶら下げて現れました。NZ人のパワー恐るべしです。年齢はそれ程変わらないのに彼は斜面を走り回りターキー2羽を手掴みにして来たのです。最後のダブル撃墜の片方は未回収となりました。


 何はともあれ4羽捕獲成功でホッとしています。写真右はオブザーバー参加のQ生徒。
 2人で持っているターキーは特に大きく良く翼幅が140cm近くもありました。
  味の方はキジ(地鶏の脂が少ないヤツ)の様な感じで美味しいのですが歯応え十分でした。



 この大きさと美しさと美味しさ、アメリカ人がターキーに夢中になるのが分かる気がします。

ポッサム&ラビット猟ドギュメント:
夕食後はポッサム猟です。ポッサムはオーストラリアから持ち込まれた有袋類で中型犬よりやや小さいサイズで日本名は袋ネズミとなっていますが木登りカンガルーと言った感じです。木の芽を食べてしまう害獣です。

  牧場周辺の立木をバギーと徒歩で回ります。牧草畑にはラビットも稀に出て来ます。

多くは大木の中程から上の方に居て射程距離は15~30mです。これを22LRのスコープ付き自動銃で撃ちます。音は非常に小さく「ペチン」と聞こえ、ハイパワープリチャージ銃とそれほど変わりません。強力なサーチライトで照らしますと赤い眼が光りここを立ち撃ちで撃ちます。

赤く目の光るポッサムの写真撮影に随分チャレンジしましたが手前の枝がサーチライトで光ってしまい上手く撮れませんでした。弾はかなりの確率で小枝に喰われ跳弾は「チュイ~ン」と荒野の西部劇の音がします。命中すると「ポコッ」と大きな音がします。発射音が小さいのでこの命中音は誰にも聞こえる様です。

弾は安く反動もゼロに等しいのでそれこそ「パカスカ」撃ててしまいます。撃墜しても枝に引っ掛かって落ちて来ない物や、地上まで落下しても半矢で逃げる物もあります。地上を走る速度は思ったよりも速く広いフィールドならランニング射撃は出来ますが、森の中では困難です。結果は85発から11匹の捕獲となりました。


  ポッサムは有袋類、灰色、茶色、黒色の各色があり、柔らかくて良い毛皮になります。
  右側手前の2匹は穴ウサギ、こちらではラビットと呼び、飼ウサギもこの仲間です。
  左手前はヘアーと呼ばれるノウサギです。これらは50~100mのランニング射撃です。



  DayAMワイルドゴート猟、PM次の猟場に移動。
昨日は3種もの猟が楽しめました。ワイルドゴートの5発5中、ターキーも5発4中1羽未回収。そして85発の22LRから11匹のポッサム&ラビットと大猟の連続でした。本日も何か良い事が起こればと思います。

ワイルドゴート捕獲ドギュメントその3:大物未回収。
本日は最後のワイルドゴート猟です。数的にはもう合計で11頭を捕獲しており、十分な猟ですから本日は大物トロフィー狙いです。奥の山の上の方まで片道1時間強を歩きます。
本日は靄が掛かって遠距離はやや見難い日です。

やがて向かい斜面のやや高い所、森と牧草地の境界付近に大物のゴートが単独で居ます。体色は茶色の黒淵、角長70cm級です。多分群れの本体はすでに森に引き上げたと思われます。こちらを威嚇する様に睨み付けています。距離は240m、プローンで撃ちます。

幸い息も上がっておりませんし、良いプローンの台もありますから多分命中する事でしょう。狙い目は心臓です。発射、良い弾着音が帰って来ました。弾着は少々不明ですが命中です。しかし倒れません。すぐに2発目を装填、照準しましたが森に入られてしまいました。昨年に続きまたもやビッグトロフィーは未回収になってしまいました。


   大物は射撃距離が遠いし、良い所に当てないと回収不能になってしまいます。
   この難しさはエゾ鹿と同程度、今回も240m遠射で大物は未回収となってしまいました。



  Day6ワイルドブル猟。

  今回ブル猟をしたのはこの隣接エリアです。     これが目標のブルです。

場所はスラストフォードと言うNZ北島左端の場所。ブルと言う言葉は他の動物にもボス級の大物オスに対して使う事もありますが、本来はブルだけでオス牛の成獣を意味します。これに対しカウはメス牛、オックスは去勢牛と未成熟のオス牛を意味します。この猟も元は家畜であった牛がターゲットでワイルドキャトル猟(キャトルとは牛追いの意味)とも言います。体色は各種がありますが黒と茶と薄茶色が多い様です。

我々が通常に見るのは商業的な500kg前後の牛ばかりです。牛も鹿と同様にオスの方が各段にデカクなり、10歳を超える様なブルは体重も1000kgを超えて鹿の大物オスの様に別格の風格が生まれます。1000kgと言えば北海道のエゾ鹿の超大物でもせいぜい150kgですから7倍もデカイターゲットになります。308の弾頭は50㎝強の侵徹力がありブルの急所にまでは十分に届き、これで勝負する事も可能です。

しかし狩猟はロマンです。体重1トンと言えばアフリカのケープバッファローやアメリカバイソンそしてアジア水牛等と体重的には完全に同等です。これを超える大物はゾウ、サイ、カバの3種だけです。と言う事で本来の希望は銃もアフリカン、出来れば青年時代にテレビで見たあの500ニトロエクスプレス(570gr 5850 ft-lbs)の水平2連クラシックダブルライフルが良いのですが、その様な高価な銃はありませんので先にも紹介したガイドの加藤さんの所有銃であるイギリス製のBSAボルトアクションの458ウィンマグ(500gr 、4712ft-lbs)でクリーンキルを目指します。

当地のワイルドブルの先祖は1900年頃スコットランドから持ち込まれました。1940年頃から野性化しています。種類的にも色々な牛が雑種化しており、ロングホーンも少し居るそうですが多くの牛の角はあまり長くないそうです。(やや残念)

ワイルドブルの生息場所はワイルドゴートと同様に牧草地と奥の森林との境界付近になりますが捜索はヤギと違って森の中がメインとなります。ファームの鹿と同様に高い所までバギーで上がり適当なワイルドブルを見付けるとその近くまではバギーで行き、アプローチは風下から隠密忍びです。もちろん姿丸見えの隠密忍びはあり得ませんから森や林或いは地形を上手く利用して100m以内まで近寄って射撃します。射撃は立ち撃ちがメインとなります。

ワイルドブル捕獲ドギュメント:
本日は曇りで風の強い日です。これはハンター側にとっては臭いや音の気配をあまり敵に取られなくて都合のよい日であります。
猟場に入って30分、最初の黒いブルを300m先に発見しました。風下より姿を見られない様に音を出さない様に慎重にアプローチしますが、そこまで行くともう姿を消していました。ブルも中々の強敵の様です。

更に捜索する事2時間、今度は焦げ茶のブルです。500mで発見し、アプローチしましたがもう少しでアプローチ完了と言う時に感付かれて逃げられました。姿をチラ見しただけで銃も向けられない状態でした。

3回目は持参のサンドイッチを出先の狩猟小屋で食べてその後まもなくの事でした。
赤茶色の肌が300m先に見え隠れしています。あの毛色は上手く行くとロングホーンかも知れません。慎重に慎重にアプローチします。牛が草をむしる音が聞こえて来ます。
今度はアプローチに成功しそうです。やがて距離70m、30度下のシダの陰で草を食べているブルを発見、ニーリングで照準を付けます。

  ブルの居る所はこんな森の中、弾は木々の間をすり抜ける様に撃たなくてはなりません。

シダの葉が邪魔をして角の大きさが確認出来ません。やがて風が吹いて角が確認出来ました。残念ながらロングホーンではありませんし、あまり大物でもありません。パスする事も出来たのですが、撃たないで帰る事になってしまうかもしれません。

それもしゃくですから撃つ事に決めました。現在は体が斜めを向いています。狙い目は正面からは目と目の間の眉間、横からは耳の後ろの延髄です。やがて牛の顔はほぼ正面を向きましたので急所は丸見えの角度になりましたが、まだシダの葉が邪魔をしています。風を待たなくてはなりません。

間もなく風が吹きシダの葉がなびき、今度こそ完璧に眉間が見えます。その瞬間に引き金を引きました。「ドン」ブルは手足の力が急に抜けた様にその場に音もなく軟着陸しました。

ガイドが死亡確認に行きます。私はもし動き出した時に対してスタンバイします。やがてガイドが「OK」を出しました。そして多くの人がブルを撃ったが、今回ほど綺麗な命中は初めてだと言います。
私もこれほど綺麗な倒れた方は今までのエゾシカ1000頭中でも数えるほどしかありません。

さて眉間に見事命中かと思われた弾は実は15㎝近くも上にずれていたのです。角の高さで頭蓋骨を貫通し、頭が下を向いていた為にそのまま延髄を直撃した形になりました。その結果が綺麗な倒れ方となったのです。

           推定体重700kgのブル、アフロヘアーの上寄りに命中しました。


  DayAMグライダー搭乗、PMピーコックの猟場まで移動。
グライダーは強風の為に飛べない事になりました。本日の行事は北島北部のオポノニと言う地区まで移動だけになりました。


  Dayピーコック&パラダイスダック猟、夜オークランドまで移動。
ピーコックは牧草畑と森や林が点在している地域の森に住んでいます。日中は牧草畑で餌を食べます。クジャクも東南アジアやインドでは本当に野性の鳥で、NZのクジャクはインドから持ち込まれました。胴体サイズはターキーよりかなり小さく、体重も5kg程度ですがオスの尾羽は非常に長く全長は1.5m以上になりターキーに比べてもかなり大きく見えます。この鳥もターキーと同様に普段は走って逃げますが、緊急時には見掛けよりも良く飛びます。

またキジと同様にブッシュに潜む事もありますが、多くは超早立ちでその為にショットガンはおろか22LRも射程不足となりライフル銃で撃つ事が多いそうです。

          ピーコックの猟場はこの様な森や林が点在している場所です。


 インドクジャクです。その美しい姿とはイメージの違う大きな声で「クエーッ」と鳴きます。
 小さなブッシュに隠れてしまうかと思えば忍者の様に無音で走り風の様に飛び去ります。

ピーコック捕獲ドギュメントその1:忍者ぶりに完敗でした。
40m先の林の中に潜むオス1羽を発見。道具はどちらにしようか迷いましたが、加藤ガイドのライフルの方が良いでしょうの言葉に従いました。
こちらのピーコックはターキーと比較にならない位の超早立ちでしかもターキーの2倍位俊足の持ち主です。体重はターキーの半分位ですからその面からすれば22LRでも良いのですが距離と速度から言ってすぐに100mを超えますから使い慣れた308が良いでしょうと言うのが加藤ガイドの見解でした。

あの輝く全長1.5m強もある体をどうやってと思う位、ピーコックはまるで忍者の様に木やブッシュの陰に上手く隠れます。シルエットの1部を数回チラ確認は出来ましたが、銃を向ける暇もない程に木々の間を意外と速く移動して行きます。

結局は林から走って出てそしてそのまま飛び去りましたが、ここで更にピーコックの忍者ぶりに再度驚きました。走る速度も本当に速いのですが無音、更に飛び立ちも無音でした。1回目は全くの完敗でした。

ピーコック捕獲ドギュメントその2:150m失中。
ピーコックは数羽の群れで居ますからまだその向こうにもいる筈だと言う事で林を回り込みました。150m先に1羽います。我々を視認するとすぐに走り出します。途中で1度だけ振り返りましたのでそこを立ち撃ちで撃ちましたが、上方20cmで着弾の失中。次いでランニングショットを試みましたがやや後落の下方の失中でした。これも完敗です。

ピーコック捕獲ドギュメントその3:120m失中、3連続の完敗です。
同じ群れと思われるオスがもう1羽いました。先の銃声で走り始めました。距離はやや近く120mです。立ち止まりました。すかさず狙って撃ったのですが引き金のタイミングが合わず微少下方の着弾で失中、ガイドの言うには「やった」と思ったそうです。これは着弾が近かった為にすぐに飛び去りランニング射撃は出来ませんでした。これも完敗です。この3回の中では単純な射撃ミスであった故に1番残念です。

この分で行きますと10戦しても獲れないかもと思いました。今回の猟の中でもそうですが、私が過去対戦した中で1番の強敵です。反省点として1回目はショットガンだったら半分位の確率で獲れたかもと思う点があり、今後は距離が近ければショットガンで行く事にしました。

ピーコック捕獲ドギュメントその4:ランニングショット成功です。
場所を隣山に変え、高台から偵察します。現地ガイドはマオリ族のジョーと言いますが、これがスーパー視力の持ち主。彼が1km位先の木の根の下に1羽いると言います。
彼は肉眼です。かなりやり取りをして加藤ガイドも双眼鏡で確認しました。私は彼の言う所が分からず確認出来ませんでした。

銃は両方用意して近くまで車で行きます。50m以内と思われる所まで来ましたのでショットガンを手にそっと車から降りました。ピーコックは当然我々の事を知っているのですが、ジョーの言うにはまだ林から出ていないとサインを送って来ます。

林の裏に回り込もうとした時、林から出ようとするピーコックのブルーの背中が一瞬見え、ブッシュに隠れました。そっと距離を詰めながら飛び出しを待ちます。

距離は20mを割りました。この時ピーコックは突然向きを変え、林の中に走り込もうと行動を開始しました。ブッシュからはブルーの背中の移動しか見えませんがもう1mで林に入られてしまいます。そこでスイングしながらブッシュもろとも射撃しました。命中です。

    距離15mランニングショット、近過ぎてやや損傷が大ですが念願のピーコックです。

ピーコック捕獲ドギュメントその5:飛鳥撃墜。
また隣山に移動しようとする時でした。牧場道路脇の林に1羽いるのをジョーが見付けました。今度も近そうですからショットガンの勝負で行きます。
ジョーのサインでは俺が林の中から追い出すから出口で射撃しろと言う感じでした。しばらく待ちました。その時ジョーを見るとこっちだと手招きしています。その先25mに隠れて尾が出ていると言うのです。尾の位置は分かりましたが、体の方向は分かりません。

尾を必要以上に傷つけるのも何ですから少し上を撃って右か左かに飛び出した所を撃つ事にしました。場所的には左の方がかなり空いていますが、今私はそちらから来ましたからその経緯からすれば右に出ます。

追い出し射撃をしました。ビックリするくらい早くピーコックが飛び出しました。右です。
思い切りスイングしながら引き金を引きます。もちろん銃を止めてはなりません。ピーコックは1.5m飛んだ所で命中し2.5mの地点に落下しました。即死です。ジョーはニコニコ顔で「ウェルダン」の連発です。今度は適度に被弾し損傷も軽微でした。

あの小さなブッシュにほぼ完ぺきに隠れ、そして飛び出す時にも音も殆んどしませんでした。
ピーコックのスーパー忍者ぶり、特と拝見出来ました。
こうしてライフルでは3戦3敗でしたが、ショットガンでは2戦2勝となりました。

  ピーコックは本当に強敵。2羽捕獲に成功し、今回の各狩猟の中でも1番の思い出です。

パラダイスダック猟ドギュメントその1:定数に至らず、80発で21羽。
パラダイスダックは日本語で黒赤ツクシガモと言いますが、その名の通り雄は黒色、メスは明るい茶色に白い頭です。ツクシカモ類はマガモより1.5~2倍ほどの大きさで日本には有明海にしか渡って来ません。パラダイスダックは水辺近くの草原や草地に大きな群れで居る事が多く、その付き場にデコイを置き。時によってはコール笛も使いおびき寄せます。

パラダイスダックの捕獲定数はこの北部地区では25羽/日で、他にマガモ&カルガモ合わせて15羽がOKと言いますからカモ類合計で40羽、たった5羽の日本とは大違いです。

今回は牧草地とトーモロコシ畑が猟場です。境のフェンスに鳥屋を作ります。デコイをセットしますが、段ボールに絵が書いてあるだけです。
弾は4号、36g弾、本当は32gの奴を希望したのですが安売りはこれしかなかったそうです。余談ですが、ダック猟は5月~7月初めまでですから終り頃になると弾も随分安くなるそうです。


                  トーモロコシ畑と牧草地の間の鳥屋。


                段ボールのデコイをセットし待ち受けます。

ダックは風下から侵入します。コツは十分に引き付けるまで動かない事でそれに成功すればダブルやトリプルは連発が3発に制限されていないNZでは容易の筈でしたが、実際は速度が予想以上に大でリードが合わずに思ったよりも多弾数を消費しました。

それでもトーモロコシ畑側では射界の問題は無く3回着地させダブル3回を行い、内2回は3羽目も撃墜出来ましたが、共に3羽目は未回収になってしまいました。
牧草地側は200mの位置に牛がいる為に着地以前の高度5mで撃ちますのでまだ残速が高くダブルはなかなか難しく、1度も成功しませんでした。

パラダイスダックは60度以上の急降下も行う程の飛翔力の強い鳥です。着地寸前まで引き付けないとまだ残速が大で頭では分かっているつもりでも結果的にリード不足に陥りがちでリードを追加しながらの連射をしてやっと3発目に命中と言うのも3度ありました。

日暮れまで3時間の猟を行って約30回の飛来がありました。
射程内まで来なかったのが5回、全弾失中が2回、ダブルが3回、未回収が4羽、合計80発を消費し、手元には21羽が回収されました。

銃はフランキ3.5インチマグナムとSKB1900の2.75インチStdと2種を比較をしてみました。結果は当たればもちろん強力さは発揮出来ますが、フランキ3.5インチマグに慣れていないので命中率が多少低下してしまう為、どっちもどっちと言う結果になりました。
使いこなせばこの大型パラダイスダックやカナダガン撃ちではやはりマグナムに軍配が上がる事でしょう。

        全弾失中が30回中の2回に留まったのは日ごろの練習のお陰です。


  写真左:パラダイスダックと愛銃、左2羽がメス、右2羽がオスです。
  写真右:同じ愛銃とカルガモです。如何にパラダイスダックが大きいかが良く分かります。



  パラダイスダックのオス。         同メス。         ダックを回収中の筆者。

パラダイスダック猟ドギュメントその2:ナイター猟。
その後更に日本では考えられないナイターコースを体験しました。約1時間に8回の飛来があり、4回射撃して3羽を撃墜しましたが、暗くて落下場所が分からず全て未回収となりました。後刻ガイドのジョーからの連絡であの3羽は回収できたとの事です。


  DayNZからの出国と日本への再入国。2011.7.2.
飛行機の出発は朝8:30ですがトラブルがあると行けませんので多少早めに空港に入ります。基本的にはNZの出国は入国時より簡単です。普通の搭乗手続きを普通通りに行いますが、銃の分の荷物タグを出してもらってからサービスカウンターで追加運賃75ドルを払いに行きます。その後オーバーサイズ手荷物受付に持って行けばこれで終了、警察窓口には行く必要がありません。

日本に夕方17:30頃に着きます。まずはパスポートチェック、そしてクルクルから普通荷物を受け取り、銃は航空会社職員より手渡しを受けます。そして税関の所では正規に持ち出した銃である事を口頭申告すると別室で書類と銃番号等の確認があり、日本から出る時と同様に帰国確認の裏書きを貰って終了です。この輸出許可証は後刻返納しなければなりませんから無くさない様にしなければなりません。

NZからはどの動物のどの部位であっても特に持ち出しの規制はありませんが、日本では
肉類やトロフィーは基本的には日本国内の家畜に病気を持ち込まれるといけないので消毒した物(それなりの書類が必要)以外は持ち込めません。またクジャクはワシントン条約の対象で原産地証明が無いと持ち込めません。

トロフィーは別料金で剥製屋に於いて加工消毒してもらい原産地証明等の書類と共に後刻送付されて来ます。先回も4か月後に送られて来ました。詳しくは7-2項参照。




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NZ猟の掲載が予定されていたF誌がなくなってしまいました。
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Posted by little-ken  at 11:19 │海外狩猟