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Posted by ミリタリーブログ  at 

2012年01月23日

ニュージーランド猟の紹介。     

ニュージーランド猟の紹介。                            リトルケン

                        ・・・目次・・・
0.海外狩猟の魅力

1.ニュージーランドの概要。

2.ニュージーランドの歴史。
  2-1.NZの島が出来るまで。  
  2-2.NZ建国の歴史。
  2-3.現在のNZの狩猟動物の先祖。
  2-4.現在のNZのハンティング制度に至るまで。

3.NZの狩猟鳥獣とライセンス制度。

4.今回の使用銃&装弾の紹介。

5.実猟の紹介。
  Day1:日本から出国。2011.6.24。
  Day2:NZへの入国。戦闘機操縦。猟場まで移動。
  Day3:AM試射、PMワイルドゴート猟。
  Day4:AMワイルドゴート猟、PMターキー猟、夜ポッサム猟。
  Day5:AMワイルドゴート猟、PM次の猟場に移動。
  Day6:ワイルドブル猟。
  Day7:グライダー搭乗とピーコックの猟場まで移動。
  Day8:AMピーコック&PMパラダイスダック猟、夜オークランドまで移動。
  Day9:NZからの出国と日本への再入国。2011.7.2。

  番外編:先回 (2010年度) の 赤鹿猟 &ファロー鹿猟。

6.猟の装備。
  6-1.銃に付いて。
  6-2.防寒に付いて。
  6-3.猟装に付いて。

7.猟の環境。

7.猟の環境。
  7-1.宿と食事に付いて。
  7-2.トロフィーの加工&輸送。
  7-3.NZの銃砲店。
  7-4.NZのハンティング雑誌。

8.後書き。




    


Posted by little-ken  at 11:55海外狩猟

2012年01月23日

0.海外狩猟の魅力。

0.海外狩猟の魅力。
お久しぶりのリトルケンです。ファンシューティング誌VOL.5&6の根室エゾ鹿ハンティングスクール以来です。今回はニュージーランドの猟に行く機会がありましたので海外の狩猟の魅力に付いて少しお話を紹介したいと思います。

本レポートは本来ファンシューティグ誌に載せるつもりで書いたのですが、廃版となってしまいこのスクールの記録に載せる事になりました。

日本の狩猟鳥獣は30種の鳥類と16種の獣類です。最大はヒグマで体重は最大で350kg、エゾ鹿で150kg、角長は85cmです。これ以外にも150kgのツキノワグマ、80kgのイノシシ等が居ます。日本は種類も生息数も豊富で狩猟の魅力は十分あるのですが、ただ一つ不満があります。それはヒグマを除き世界の大物に比べますとややサイズが劣る事です。

世界の大物の多くはアフリカ大陸に居ます。アフリカは奇跡の大陸と言われ、ビッグ5と呼ばれるデンジャラスゲームは5トンのアフリカゾウ、2トンのサイ、1トンのケープバッファロー、250kgのライオン、そして小型ながら難易度の高いヒョウの5種を示します。レイヨウ類は数も種類も豊富ですが中でも900kgのエランド、1.5mグルグル角のクドゥ、1m直線角のオリックス、等々が有名です。

他の大陸ではアメリカバイソンやアジア水牛の約1トン、北極熊800kg、コディアックベア700kg、そして鹿類ではムース700kg、エルク400kg、赤鹿250kg、カリブー300kg、更にはビッグホーンシープ、アイベックス、等々があります。

昔の話ですが、1970年代の毎日曜日の夕方には海外の大物猟を紹介するテレビ番組がありました。筆者も何時かは海外大物猟と心を熱くしてこの番組を見ていました。この頃の日本のハンターはかなり元気で多くの人が海外の大物を求めて遠征しました。70年代の日本大物狩猟クラブではニュージーランド南島のエルク猟を募集したところ20名もの参加がありました。このクラブからはエゾ鹿猟にも毎年50名程が遠征していました。

360円/ドルの50~70年代に比べて昨今は80円/ドルと4倍も行き易くなりましたが、日本のハンターの元気度は国力に比例して低下、それに伴い海外狩猟を扱う会社も2000年頃に相次いで閉鎖されました。しかし海外大物猟の魅力が無くなった訳ではありません。
筆者はこの円高を利用し40年前からの夢を実現させる事にしたのです。

2009年にはナミビアでクドゥ&オリックス等々の6種類、2010年のニュージーランド北島で赤鹿&ファロー鹿等々の5種類、そして今回2度目のNZで1トンの野牛&角長1mのワイルドゴート、そして更に日本には居ない大型鳥猟の幾つかを狙う計画を立てました。
今回は海外猟の中でも比較的安価で行き易く、それでありながら魅力たっぷりのNZ猟を紹介したいと思います。
  


Posted by little-ken  at 11:38海外狩猟

2012年01月23日

1.ニュージーランドの概要。

1.ニュージーランドの概要。
正式名称は英語で New Zealand(ニュージーランド)、マオリ語では白く長い雲のたなびく地と言う意味の Aotearoa(アオテアロア)。略称はNZ。

             これがアオテアロアです。特に冬場はよくこうなります。

気候が穏やかで人口も少なく野生鳥獣の天敵が居ない事等からその国土の全てがハンティングエリアと言っても過言でないほどこの国は狩猟地域及び狩猟動物が豊富です。何の変哲もない普通の牧草地帯にも多くの狩猟対象の鳥獣が豊富に生息しており、盛んにハンティングが行われています。これほどハンティングの機会が豊富な国はニュージーランド以外ではありえないのではないかと思います。

またNZはフィッシングでも非常に有名です。豊かな自然プラス適量な雨のお陰でレインボウやブラウントラウトが多数繁殖しています。更に豊かな陸地からは豊かな海が育ち、1m近いマダイや1m以上のキングフィッシュと呼ばれるヒラマサ釣りは世界的に有名です。
また物価の安さからWW2の戦闘機等の動態保存にも適しておりこの方面でもアメリカに次いで有名です。

地理的には北島で南緯38度、南島で南緯44度、北島は43度の北海道よりかなり暖かく、南島は同程度と言う事になります。但し季節は反転し、太陽は常に北側の空にありますが、太陽が東から出て西側に沈む事に変わりはありません。更に海流の関係で夏は涼しく、冬の強烈な寒波もなく、1年を通して温暖な気候です。NZは日本の約70%の広さの国土を持ちながら、人口は20分の1以下のたった約430万人。84%が都市部に住んでおり、郊外の自然の豊かさは格別レベルです。
  


Posted by little-ken  at 11:36海外狩猟

2012年01月23日

2.ニュージーランドの歴史。

2.ニュージーランドの歴史。

  2-1.NZの島が出来るまで。
この国の稀に見る程の奇跡的な狩猟環境を説明するにはどうしても太古の昔に話を進めなくてはなりません。NZ島は8000万年前にゴンドアナ大陸からオーストラリア(AU)大陸と共に分離しました。その後AUと更に分離したNZは大きな地殻変動により200万年ほど海面下に没し、AUと類似系の動植物生態系はその時に絶滅しました。

それが今から2400万年前に大きな地殻変動により再度浮上し、以後は飛来した鳥とコーモリだけの島となりました。人類がNZに来たのはケタ違いに新しく、たったの1000年程前の事です。つい最近までのNZは鳥類だけの楽園だったのです。

古い時代のNZに飛来した鳥の中から独自に進化した鳥にモア(ダチョウより遥かに大型で全高3~4m)やキウイ(大小かなりの種類が当時は生息、大は小型のダチョウ並)の様に飛ばなくなった鳥も多数居ました。哺乳類等の天敵が全くいない為に飛ぶ事が必ずしも重要ではなくなったのです。この長い鳥類の楽園時代も人間(先住民族のマオリ)が多くなった15世紀頃からは多くの在来種の絶滅が進行しました。

現在も生息しているNZの固有種は鳥類67種、哺乳類2種(共にコーモリ)です。NZの主な固有鳥類としては次の通りです。3種のキウイ、キア&カカ&カカポ等のオウム類5種、パラダイスダックを含むカモ類5種、タカヘ等のクイナ類5種、鶏級のNZハト、モアポークフクロウ、シギ&チドリ類7種、カモメ類3種、ウ類8種、カラス類3種、ムクドリ類3種、その他23種です。一見すると多種多様に見えますが、多くが絶滅寸前です。


  2-2.NZ建国の歴史。
白人でNZの土地を発見したのは1642年オランダ人のエイベル・タスマンです。先住民族のマオリでさえその原点は1000年程前、メインとしては14~15世紀頃にカヌーに乗ってやって来たポリネシア人です。

その後タスマンから100年以上過ぎた1769年イギリス人ジェームズ・クックが島全体の調査を行いました。この調査の結果がヨーロッパにもたらされると捕鯨やアザラシの毛皮ハンターの遠征が始まりました。1830年代前半ロンドンに植民地会社が組織されると移民は更に増加しました。1840年イギリスは先住民族マオリとの間にワイタンギ条約を締結し直轄植民地としました。1850年頃ゴールドラッシュで移民は更に増加しました。1907年イギリス連邦内の自治領となり事実上独立しました。


  2-3.現在のNZの狩猟動物の先祖。
それでは現在のNZのゲームハンティングの対象となっている哺乳動物達は何時頃に何処から来たのか? それは1770年頃キャプテン・クックが将来難破してNZに流れ着くかも知れない水兵達の食料として余剰の猪やヤギを放った事に始まります。

我々が関心のある鹿に付きましては1851年南島ネルソン周辺に初めてレッドディア(赤鹿)が放されました。この時に放された鹿は残念ながら増えませんでしたが、1861年以降50年以上に渡り世界各地から各種の鹿をはじめ猪、ヤギ、ヒマラヤンター、シャモア、ワラビー(小型のカンガルー)、ポッサム(フクロネズミ)など数多くの動物がNZの各地方に放され、この時点でNZの旧生物体系は殆んど破壊されました。同じ頃キングサーモンやレインボウトラウトやブラウントラウト等の魚類も各地の川に放されました。

ヨーロッパからは赤鹿とファロー鹿(日本鹿クラスで角の先側半分がヘラ状)、アメリカからはエルク、東南アジアからはサンバー鹿(体はエルク級だか成獣でも2段角)とルサ鹿(日本鹿クラスで細長い2段角が特徴)、そして満州からシカディアが持ち込まれ自然繁殖に成功しました。NZには捕食動物が殆んどいない事や人口が少ない事もあり、それらの動物は劇的に増え続けました。しかし北米からのエルクは南島の一角でしか繁殖しておらず、ムースは成功しなかった様で、また乾燥地帯に住むビッグホーンシープやヤギの類であるアイベックスもNZに適応出来なかった様です。

鹿は英語でDeerですが日本鹿は英語でもSikaでシカディアとも言います。本来は大陸との陸続きが切れた時期に取り残された大陸系の鹿が日本で亜種になったと言うのが正しいのですが、ヨーロッパにはこの日本の鹿が最初に紹介された為にこの様な名前が付きました。このNZのシカディアは満州からの鹿ですからエゾ鹿とはかなり近縁です。

白人は元々狩猟民族ですから日本人とは比較にならない位にハンティングが大好きですが、ヨーロッパの良い猟場は貴族に独占されていて平民は十分な狩猟が楽しめません。移民達はこのNZに自分達の理想の国を作ろうとしましたが、その一環の中でハンティングの楽園も作ろうとしたのではないかと思います。


  2-4.現在のNZのハンティング制度に至るまで。
1931年、政府は増え過ぎた哺乳動物の駆除を決定し、駆除の為に多数のプロハンターが雇われました。またプロハンター育成の為に国立のハンター養成学校も作られました。

駆除は1960年代以降にガンシップと呼ばれるヘリコプターの登場により大きく変わりました。今まで人間が入り込む事が出来なかった険しい山岳地帯でのハンティングが可能になり、出撃毎に大量の鹿を仕留められました。そしてその大量の肉はヨーロッパ各国に輸出される様になりました。

1970年代後半にこの好評な鹿肉輸出を事業化する為の養鹿業が紹介された事によりNZの状況は一変しました。それまで鹿はたった数百ドル/頭の価値しかなかったのですが、生きた状態なら数千ドルで取り引きされる様になったからです。ヘリコプターの運用は駆除から捕獲へと変わり、数年後には100万頭以上の鹿がNZ各地のファームで飼育される様になりました。

少し時代が前後しますが、1920年以降にハントされた世界中で最も素晴らしい赤鹿とエルクのトロフィーの殆どはNZで狩猟された物でした。1970年代以降になりますと国際線ジェットの普及でそのビッグトロフィーを求めて主にアメリカ人が大挙してNZに押し掛けました。その結果トロフィーの価値は数倍~10倍にまで跳ね上がってしまい、一時期のゴールド級赤鹿トロフィーは15000ドル以上にまで跳ね上がりました。

一方乱場の狩猟では1970年以降ハンターが多くなって鹿が場馴れしてしまい、特別な奥地に行かない限りBigトロフィーの可能性は無くなりました。日本のエゾ鹿は積雪により大移動しますがNZの鹿は1年中ずっと緑が枯れる事が無い為に全く移動せず、その為すぐに場馴れしてしまったのです。そこで養鹿業者の中には養鹿された鹿の1部を広大な私有地に放し狩猟対象としてハンターを呼び込み始めました。こう言う形をファームのサファリと言います。

この傾向はやがてNZだけに留まらずアフリカやアメリカ国内に於いても行われる様になりました。ワイオミング等ではファームによるエルクサファリと共に国立公園内の野性のエルクにも冬期には餌を与えて保護し、ハンティングを地域上げての積極的なビジネスとする動きが出始めたのです。

この方式は妥当な価格で外れが少ない事からやがて世界中の狩猟の基幹(赤鹿、エルク、そしてクドゥやオリックス等のアフリカのメインゲームに対して)をなすまでに育ちました。
柵の中と言ってもそれは1辺が数十kmもあり、実質は柵の存在を全く感じさせません。

また柵に中だから撃つのはイージーかと言うと決してそうではありません。実際に2010年のNZで赤鹿とファロー鹿を筆者がハンティングした時のデータでは1.5日で11回アプローチしましたが発砲には3回しか至れませんでした。(捕獲ドギュメント5-番外編参照。)

さて話を元に戻し、その後2008年のリーマンショック以後になりますと世界的に不景気の風が吹きNZのこの業界の風向きも大きく変わりました。鹿肉等の相場が低下し以前は牛や羊の牧場を鹿に換える人も多かったのですが、再び元に戻す人や牧場その物を辞める人も出て来ました。

ファームに於いてもトロフィー級の鹿に育つまでは8年以上が必要ですが、一方で鹿自体の寿命が10年余しかありません。つまりトロフィーとしての価値も僅か数年間しかなく、この間に客が付かなければ殆ど価値が無くなってしまいます。
と言う事でリーマンショック以降このトロフィー価格は元の妥当な価格に向かって下がりつつあるのが現状で、それは我々ハンターに取ってもうれしい方向です。

NZに於いてファームではなく純野性の鹿のトロフィー級を捕獲する方法が無いではありませんが、その場合はヘリで奥地まで飛んでそこで約1週間のキャンプを行います。ファームに於ける捕獲成功率は100%までは行かないにしてもそれに近い相当な高率になりますが、純野性のトロフィー級の成功率はそれなりの諸条件をかなり良い側に揃えても半分前後と言われています。

自然物の捕獲が高費用でしかも長期間を必要とし、その上で捕獲成功率が低いとあればファームの鹿の側に人気が出るのは当然です。なおファームでは肉用の鹿もサファリのトロフィー用の鹿も共に100%自然繁殖&放牧ですから実質的に純野性の物との差は殆んどありません。少々違う点はより大きなトロフィーになる様に多少品種改良がされている事、又サファリは数量管理がされており足りなくなれば補充が行われる事の二つです。

人によってはファームの狩猟を毛嫌いする人もいます。またガイド付きのハンティングを否定する人もいます。自宅周辺の限られた場所で限られた種類の獲物だけを相手にするのならそれでも構いませんが、その枠を超えてより大物を求めて遠征をすればガイドの存在はその効率を大幅に高めてくれますし、ファームの利用も悪い話ではなくなります。
なおNZを含む全ての外国では日本の様に他人の土地でハンティングする事は出来ませんので日本人にとっては結果的にガイドハンティングオンリーとなります。
  


Posted by little-ken  at 11:34海外狩猟

2012年01月23日

3.NZの狩猟鳥獣とライセンス制度。

3.NZの狩猟鳥獣とライセンス制度。
狩猟可能な鹿類はすでに紹介されていますが、赤鹿、ファロー鹿、日本鹿、サンバー鹿、ルサ鹿そしてエルクが可能です。野性の物は混血も多く見られます。
他の獣類としてヒマラヤンター、ヨーロッパシャモア、猪、野ウサギ、野性化したヤギ&ヒツジ&牛、等々があります。それ以外にもオーストラリアから持ち込まれたポッサムやワラビーがあります。

NZではピストルによる狩猟が禁止されている以外、全ての狩猟動物は本来NZに取って害獣ですから数の制限やシーズンの規制などは殆んどありません。ライセンスは必要ですが獣類の狩猟ライセンスは無料で1年中狩猟が可能です。

狩猟鳥類も多くは持ち込まれた物が多く、今回の狩猟対象ではパラダイスダック(日本名は黒赤ツクシガモ)だけがNZ固有種です。他に狩猟可能な鳥類としてカモ類(マガモ、カルガモ、ハシビロガモ)、カナダガン、黒鳥、キジ、ウズラ、七面鳥、鳩、孔雀、等々があり、NZではバードハンティングも非常に盛んです。鳥類に対してのライセンスは有料(70NZ㌦)で期間と定数の設定があります。鳥猟にライフル類(エアーライフル除く)は使えません。

その取り決めは場所やその種類ごとに細かく規定がありますが、おおまかに言えば主に冬場の3~8月までが可能でメインは5~6月です。全般的に言えば日本とは比較にならない位に狩猟鳥の種類も多く、また定数もダックやガンは10~30羽(カモの種類ごと)ですから我が国の各種合わせて5羽までとは比較にならない設定です。七面鳥等の家畜化された物が野性化した物はこの狩猟法の対象外で何時でも撃てます。

狩猟可能時間は安全が確認されれば夜間でも問題はなく、夜行性の動物はサーチライトを使って撃ちます。日の出から日没までと時間にうるさい日本とは大違いです。多くの先進諸外国でも基準時間は日の出と日没ですが前後に30~60分が認められています。そしてこれも先進国の共通ですが資格を持った公認ガイドが同行すればライセンスの無い人でも狩猟出来ます。更にNZの凄い所にライセンスを持った親と行動すれば子供でも問題はなく、その場合には年齢制限すらが無い事です。

銃所持は16歳でエアーライフル、18歳以上なればライフル(セミオート除く)やショットガン(セミオート含む)もOKです。日本の様にライフルに10年の経験が必要とか口径制限や装弾数制限とかのアホらしい規制もありません。ライセンス的には他にセミオートライフルによるプロハンティング資格、アンティーク銃、ピストルのライセンスがあります。

銃はフルオートはダメ、軍用銃(セミオートは別ライセンス)OK、口径制限特になし、マガジン容量も特になし、10番の散弾銃であろうが、アフリカの象撃ち用であろうがバレット50口径であろうが何でもOKなのです。

今回我々を案内して下さるガイドの加藤氏はNZでただ一人の政府公認ガイドの資格を持った日本人で1983年以来NZに永住しています。 http://www.huntingaotearoa.co.nz
彼に同行してもらえば言葉の問題も全く無く日本での銃や狩猟の資格や経験が無い人でもNZで狩猟を十分に楽しめます。

NZは狩猟期間及び時間帯制限、狩猟対象の多種さ、捕獲制限数の多さ、使用銃器の自由度等々、そのどれを取っても(北海道のエゾシカ猟を除き)世界でこれ程の国はありません。
またガイド代やホテル代等の諸物価の安さも大きな魅力です。ヘリコプターを使ったダイナミックなスポーツハンティングも物価の比較的安いこの国では一般的な庶民でも手が届く範囲にあり、そのエキサイティングなヘリハンティングもNZの大きな魅力の一つです。
  


Posted by little-ken  at 11:31海外狩猟

2012年01月23日

4.今回の使用銃&装弾の紹介。

4.今回の使用銃&装弾の紹介。

  4-1.ワイルドブル猟:

BSA モデルCF ボルトアクションライフル イギリス製。458ウインチェスターマグナム弾頭重量500gr 初速2040ps エネルギーは4712ft-lbsです。
青年時代のアフリカ猟のテレビ番組を見て以来ずっと憧れていた銃です。

BSA (Birmingham Small Arms Company)はかつて空気銃から軍用ライフルまで製造していた総合銃器メーカーでした。又オートバイメーカーとしてもかつては名門でした。狩猟用ライフル銃も22~458口径まで各種を揃えていました。今では空気銃の生産を除き企業活動しておりません。日本では殆んど使っている人はいませんが、空気銃だけは数年前まで輸入されていました。

458ウインマグはアフリカの大物ゲーム用に作られたカートリッジで308の約1.8倍のエネルギーを持っています。375H&Hマグナムのケースを72.4mmから63.5mmに短縮し、ネックダウンを行わずそこに45口径11.6mmの弾頭を直接取り付けたカートリッジです。
このケースをネックダウンした物に338ウインチェスターマグナムや7mmレミントンマグナム等があります。参考までに日本では10mmを超える口径は所持出来ません。


  4-2.鹿類&ワイルドワイルドゴート猟&ピーコック猟:

SAKO 75バーミンター改 ボルトアクションライフル フィンランド製。308ウインチェスター 弾頭重量150gr 初速2820fps エネルギーは2648ft-lbsです。

サコーは小口径から超大口径の軍用銃(砲)までを製造する総合銃器メーカーですが、現在はベレッタ社の傘下にあります。量産銃でありながらカスタム銃並みによく命中する高品質が受けて他メーカーに比べて1.5~2倍高価であるにも拘らず世界中で良く売れています。銃の特徴として安全装置を掛けた状態でもボルトのロックだけを解除する装置が付いており、安全に抜弾が出来る事です。

バーミンターモデルには重銃身が付けられており、より安定した射撃が出来るモデルです。本銃は改が付いておりますが筆者の愛銃です。筆者が重銃身を選んだ理由はムービング射撃時のスイング安定性を重視したからですが、重い銃や長い銃身は射撃時にはプラス方向になりますが携帯に不便です。この為に全長を7cmカットし、ストックの軽量化等も合わせて重量を0.5kgほど軽減しました。

ピーコック猟に308が使われるのは意外と思う方も多いと思いますが、ピーコックは150m以上の距離で超早立ちする為にショットガンも22LRも弾が届かないからです。


  4-3.ポッサム猟&ウサギ猟&ターキー猟:

ルガー 10/20 スタンダードモデル アメリカ製。22ロングライフル、弾頭重量40gr 、初速1255ps、エネルギーは140ft-lbsです。

ルガーはスタームルガーが正しい名称でアメリカンルガーとも言われており、小口径から大口径までのピストルを含む総合メーカーです。丈夫で良く当たる銃を安価に作る事から今では猟銃メーカーとしてもレミントンを抑え、ピストルメーカーとしてもコルトやS&Wを押さえてアメリカのNO.1メーカーです。この22ロングライフルはリムファイアー(LR)です。

308に比べると5%程度の小さなパワーですが、こと50m以内であれば非常によく当たります。日本では禁止されている口径ですが欧米等では小動物や中型以上の鳥猟等にもよく使われます。


  4-4.ターキー&ピーコック猟:

SKB セミオートショットガン 12番 2.75インチ薬室 24インチ銃身 日本製。Std狩猟用装弾 :弾頭重量32g 、初速1300fps、エネルギーは1852ft-lbs。

本銃も筆者の愛銃です。かつては日本にも散弾銃メーカーは数10社もありましたが、今ではミロクだけを残し、このSKB社も2009年に営業を終了しました。社名は創立者の名前SAKABAから来ております。本銃の特徴はレミントン等に比べて軽くて動バランスが良い事です。

本来長い銃身の方が射撃時には良好なバランスなのですが、しかしその時の銃の全長は130cm近くになってしまいます。射撃重視で行きますと銃身長は30インチ前後がベスト、しかし私は携帯性も重視して24インチ銃身を取り付け、不足する先端重量を補う為にフロントにバランサー重りを取り付けました。

装弾は24gの軽いトラップ射撃用装弾から35gのマグナム装弾まで使用出来ますが、最も良いパフォーマンスは標準装弾の32gで得られます。また命中粒数の少ない大粒散弾よりも限度はありますが小粒散弾で多数粒を命中させた方が高い効果が得られます。もう一つの条件で多数粒を命中させるには強い絞りの銃身の方が良く本銃も交換式チョークですが何時もフルを使っています。

散弾銃のメリットは向けるだけで撃てる素早い指向射撃とその連射にあります。従って獲物への射撃時間が長く得られる鴨撃ち等には散弾を少しばかり多くバラ撒く事や多少の高エネルギーマグナムによって連射リズムが乱れるよりも標準装弾によるスムーズな連射で2発目を追加命中させた方が遥かに高い効率が得られるのです。


  4-5.パラダイスダック猟:

フランキ バイオマス912 セミオートショットガン12番 3.5インチマグナム イタリア製。高速スチール装弾のスペック:弾頭重量39g 、初速1550fps、エネルギーは3210ft-lbs。
弾頭重量64g鉛装弾~2.75インチの標準装弾まで撃てます。

フランキは古くから世界的な猟銃メーカーで主に散弾銃が得意です。有名な軍用散弾銃スパス12のメーカーでもあります。現在はベレッタ社の参加です。

3.5インチマグナム弾は環境の鉛汚染問題からスチール装弾に主流が置かれる2000年頃から商品化されました。スチ―ル散弾は鉛散弾より容積を1.5倍必要とし、また比重の軽い散弾は遠射時の弾速低下から不利になりがちです。その為に更に大粒散弾を大量に打ち出したいと言う要求から本装弾は生まれました。

アメリカではこの要求に答える為に古くから10ゲージがありましたが、現在ではこの12ゲージの3.5インチマグナムが主流になっています。通常はある程度の連射バランスを考えて飛行体の重量は40g前後ですが、これに鉛散弾を目一杯詰めた64gのスーパーマグナム弾もあります。ターキー猟の様な林間の一瞬の射撃チャンスしかない時にはこの散弾量の多さを利用してやや緩いチョークで撃つ事が有効に働きます。


  4-6.レンタル銃:
銃無しで来られた方のレンタル用として上記以外にも下記の銃が用意されています。
加藤ガイドの見積り1式にはこのレンタル銃及び弾薬代も含めれていて非常に親切です。もちろんですが他にショットガンもあります。

ブルーノ CZ527 口径223レミントン チェコ製 セットトリガー付ブルや大物鹿以外にはオールマイティーの銃です。

ホーワ 1500 口径7mmレミントンマグナム 日本製 海外では高い評価です。ブルや大物鹿猟に向いています。

アリサカ 38式改 口径25-06レミントン 日本製 旧日本軍の38式歩兵銃をストックやバレルを変えた物でオリジナルの刻印付です。彼のお気に入り銃の一つです。ブルを除く全ての猟向きです。

サベージ 117 口径30-06スプリングフィールド アメリカ製ブルを含む全てに使える銃です。

モーゼル 98改 25-06レミントン ドイツ製 旧ドイツ軍の軍用銃をスポーターに改造した銃で、現在のボルトアクションの原型になった銃で丈夫で信頼性があります。



  登場した銃を全部並べてみました。右2丁は散弾銃、共に左より側がハイパワー銃です。
    左からBSA CF、ホーワ1500、サベージ117、モーゼル98改、アリサカ38式改
          サコー75改、CZ527、ルガー10/22、フランキ912、SKB1900改。



4―7.使用カートリッジの比較:

    今回の使用カートリッジ左から22LR、223レミントン、308ウイン、458ウィンマグ、
     12GA Std、12GAx3.5インチマグ、なお223は使う機会がありませんでした。


22LRは殆んど無反動で発射音もおもちゃレベルの「パチン」です。写真で見ても本当に撃ったのかと言うレベルです。

308はそれに比べるとびっくりする位の大きな発射音と鋭い反動が「ガン」と来ます。銃の事を「ガン」と呼ぶ事が分かる気がします。12番の32g標準装弾に比べると反動的には同程度かこちらの方がやや大ですが1番の違いはその鋭さです。その為にあまり銃口は跳ね上がりません。

458は308よりやや大きな音と「ガ~ン」と来る反動です。エネルギーは308の1.8倍ですが反動は4~5倍位に感じです。このクラスが通常の人で撃てるパワーの限界付近です。

ショットガンの音と反動はこれに対してライフルとは全く別物になります。308の弾頭は僅か9.7gですが12番Stdの32gはその名称の通り32gを飛ばしますから3.3倍も重い物体を発射しています。しかし弾速がかなり遅い為にエネルギーはたった70%しかありません。反動としては体感的には308より僅かに小さいと言う感じですが、銃口は意外と跳ね上がります。

近くで聞く散弾銃の発射音はライフルに比べてそれほど小さいとは思えませんが、少し離れると急に小さくなって来ます。僅か100m離れただけで「ポン」と言うシャンペンの栓を抜く時の様な乾いた音になってしまいます。ライフルはこれに対して1km離れてもハッキリ「バーン」と銃声がします。

3.5インチマグの64g、反動の大きさ自体は458と同等レベルですが「ズ~ン」と来る反動です。エネルギーは458の67%しかありませんが、飛行体が大幅に重い事が反動には大きく関係し、更に1.5倍位大きく「ズズ~ン」と来る感じです。銃口の跳ね上がりは写真で見てもダントツです。散弾が銃口を抜けるまでに時間が長くその為に反動による銃口の跳ね上がりが大きくなるのです。

反動と言うのは銃の重さや銃身長や射手の体重等によっても変わりますが、一般にStdライフルである308や30-06の2倍弱が通常の限界でこれより大きなエネルギーの銃は扱いが難しくなって来ます。ショットガンでも同様に12番32g のStdに対してやはり2倍弱が通常の限界です。

強力な銃自体はある意味で悪くはありません。しかし命中率は反動が少ない銃の方が良く当たります。ライフル銃の場合ですととにかく急所に命中させないと逃げられます。2倍のパワーのマグナムだから急所を大幅に外れてもすぐに倒れるかと言うとそうはいきません。鹿クラスの場合ですとその場で倒すには直径10cm程度に命中させなければなりませんが、パワー1.5倍のマグナムで撃つとこれが直径15cm弱に広がる、つまり±2.5cmまでならズレが増えても倒れると言う程度の効果しかありません。

ショットガンの場合、反動の軽い弾は一般的に飛行粒数が少なくなって距離が少し離れると必要密度を保てなくなってしまいます。その有効度は距離の3乗に反比例して低下しますので1.5倍のマグナムを持ってしても14%増しの距離までしか延長出来ません。
と言う事でどちらの銃もマグナムになると何倍も効果がある訳ではなく、効果は意外と少ないのです。一方でその割に弾や銃が高価であったり、反動が大きい等の命中し難い要素も増えますので実際は適当な所での妥協が必要になります。
  


Posted by little-ken  at 11:29海外狩猟

2012年01月23日

5.実猟の紹介。

5.実猟の紹介。
今回の行程は次の様な日程で行われました。皆さんの関心のある鹿撃ちが今回は含まれておらず、2010年のNZ猟の物を最後に番外編で紹介致します。

   Day1:PM日本発オークランドへ。                         機中泊。
   Day2:朝オークランド到着、車でフネアパイへ、
                       ジェット戦闘機等操縦、夜タウマルヌイへ移動。同泊。
   Day3:AMは試射、PMワイルドゴート猟、                タウマルヌイ泊。
   Day4:AMはワイルドゴート猟、PMはターキー猟、夜はポッサム&ラビット猟、タウマルヌイ泊。
   Day5:AMはワイルドゴート猟、PMはストラスフォードへ移動。    ストラスフォード泊。
   Day6:ワイルドブル猟、                       スラストフォード泊。
   Day7:グライダー操縦、PMはオポノミに移動、                オポノニ泊。
   Day8:AMはピーコック猟、PMはパラダイスダック猟、      夜オークランド移動、同泊。
   Day9:朝オークランド発。                           夕方日本着。



この日程で予定捕獲量はワイルドブル1頭、ワイルドゴート10頭、ポッサム多数、パラダイスダック30羽、ターキー2羽、ピーコック2羽とNZ国内の殆ど猟に関する1式(戦闘機操縦等を除く)全てを含んで6500NZドル(46万円程度)です。銃レンタルも弾代も宿も食事も概ね全てが含まれます。(日本からNZまでの航空券約11万円は含まれません。)


  Day日本から出国。2011.6.24.
筆者の自宅は名古屋の近くですが、現在は名古屋からのNZ便はありません。繁栄期には名古屋駅新幹線口から関西空港までNZ航空の無料バスが運行されますが今は運休中の為にマイカーで走りました。駐車場代や通行料や燃料代で片道1万円強の臨時出費です。

搭乗手続きは何時もの通りですが、問題は銃の持ち込みです。窓口カウンターで銃である旨を申し出ますと航空会社が税関に連絡を入れてくれて税関職員が来てくれます。
税関職員と共に別室に行き、持ち出し書類(事前申請)のチェックと銃番号のチェックがあり、担当官が持ち出し書類の裏面に出国確認のコメントを記入して終了、その後は税関職員立ち合いで航空会社窓口に銃を預けます。銃の追加運賃としては2500円でした。
    (鍵の掛かる頑丈なケースが必要です。鍵は錠前でもOK、金属製でなくてもOK、2万円位)


 左写真:経済産業省の銃の輸出許可証。弾にも銃と同様に別の輸出許可証が必要です。
 右写真:NZ国内の銃の携帯許可証。ガイドが無料で代行してくれます。窓口で25㌦必要。



  DayNZへの入国。
関空を夕方18:30に出発しNZオークランドには朝の8:30頃到着します。何時もの様にパスポートチェックを受けて通常のクルクルから出て来る荷物を受け取りますが銃はNZ空港警察に届けられている為に窓口に向かいます。

その空港内のNZ警察の窓口に行って書類の確認を受け銃を受け取ります。待つ事10分程でNZ国内用の臨時銃所持許可証を25㌦で発行してくれました。
その後に検疫を受けますがこの目的はNZの自然を保護する為に禁止されている食糧等が入っているかのチェックで、ここでの銃は殆どフリーパスです。

出口でガイドの加藤氏が待っていてくれますのでここから楽しいNZ猟の1週間が始まります。第1日目は筆者の飛び道具研究の別項目であるL-39アルバトロスジェット戦闘機とT-6テキサン高等練習機の操縦(これも機会がありましたらまた別の時に紹介します)、そしてPMはNZ北島中央近くの猟場であるタルマヌイまでの移動です。



  DayAM試射、PMワイルドゴート猟。
AMは試射と射撃の撮影、PMはワイルドゴート猟です。場所は北島の中央にあるタウポ湖の少し上、タウマルヌイから少し離れたオフラと言う寂れた町外れのロスさんの牧場です。2010年と同じ場所です。

ワイルドゴートもヨーロッパ人が連れて来た物です。サイズは日本鹿より多少小柄、生息量が多いので珍重されませんが、オスの角は中々立派で角長が1m近くまでになる物も稀におり、ゲームとしての魅力は高いと思います。体色は黒、茶、灰、白、ブチの各色がありますが、黒と茶が多い様です。白と茶に大物が多いと聞きます。メスにも小角があります。

2010年は片側53cm(本州鹿クラス)がMaxでしたからこれ以上が今回の捕獲目標です。牧草地はかなり急峻な山の中腹まであり、その上は森です。ワイルドゴートの住んでいるのはその牧草地と森の境界です。全部歩くとかなり大変ですが4WDバギーで近くまで行ってそこから少し歩いてアプローチ、射撃します。射撃距離は100~300m程度です。
地形と生息場所からやや撃ち上げが多くなります。


    今、谷を挟んだ250m級の射撃をしようとしています。1発で決めないとすぐに森に
    入られてしまいます。



           ノーハンティングエリアで見たワイルドゴートの群れです。
            今回はこのボス級と同格クラスを失中してしまいました。


ワイルドゴート猟は生息数が多いので無理に遠射をする必要もありません。しかしその生息場所の多くが幸いにも山の中腹ですから射撃距離を延ばす方向ならば自由に延長出来ます。300m或いはそれ以遠から遠射にチャレンジする事も出来ます。
失中のリスクはありませんし、これもこの猟の魅力なのかも知れません。撃ち方は周りに木はありませんのでニーリング又はプローンが多く、時にはバギーをレストにして撃ちます。バイポットも有効と思います。

ワイルドゴート捕獲ドギュメントその1:初日の数獲り。
まず初日は腕慣らしです。大物は居ないけれど数の多いエリアに向かいます。何時もはバギーで近くまでは行くのですが、今回の場所はそれほど遠くない事と最近はバギーで行くと撃たれる事を学習したのか逃げられ易いと言う事で徒歩で向かいました。全3時間コースです。昨日戦闘機操縦でGを掛け過ぎた為、やや体調不良です。結論から言うと20発撃って6頭を捕獲しました。

歩き始めて20分、最初の4頭群れを発見、150mのニーリングです。初弾は命中しましたが今一つ急所から後方にずれた様です。まだ動いていますのでもう1発撃って止めました。

次いでしばらくの後、120mで2匹の群れ、ニーリングから撃ちますが、初弾失中、少し走って止まった所で2発目を撃ち命中しました。まだ調子が今一つです。回収は後刻バギーで回り、牧用犬のドッグフードになります。

30分後、今度は260mで10頭ほどの群れが居ます。立ち木に半依託で撃ちますが、当たりません。その後2発を撃ちましたが全弾失中です。同じ場所ですぐ近くの谷から1頭が先ほどの銃声で出て来ました。90mでこれを捕獲。

登りを20分ほど歩きますと190mに4頭の群れが居ました。距離は近く位置関係も撃ち頃なのですが、登りのせいで息が安定しておりません。3発撃ちましたが全て失中です。すぐ隣の沢からまた2頭が出て来ましたが、これも210mで3発失中してしまいました。調子が上がりません。

下りを30分ほど歩きますと240mに8頭の群れが居ます。今度は息も上がっておりませんし、プローンで良い依託台がありますから当たると思います。1発目、命中、次いで少し走って止まった所でもう1発命中、その後は止まりませんので270m級ウォーキングで3発を撃ちますが3発とも命中しませんでした。

また30分ほど歩き、もう車まで近くなった頃、210mに4頭を発見しました。平場のプローンで初弾命中、2発目以降はもし外すと明日に向けて気分が悪くなるので撃たない事にしました。

こうして20発を撃って6頭の捕獲と余り良い幸先ではありません。宿に帰ってドライファイアーの特訓です。


  DayAMワイルドゴート猟、PMターキー猟、夜ポッサム猟。
ワイルドゴート捕獲ドギュメントその2:高台の大猟。

低い雲の中をバギーで高台まで登ります。あまり近くまで行くと逃げられるので1km程手前で徒歩に切り替えました。この時に撮影したのが冒頭のアオテアロアの写真です。

息が上がると当たる射撃も当たらなくなりますのでゆっくり静かに進みます。少し前を行くガイドの加藤氏が急に頭を下げました。手信号でこの先に居ると言っています。背を低くし撃ちやすい場所まで行き、ゆっくり頭を上げて先方を見ますと10頭ほどの群れが150mに居ます。

プローンで僅かに撃ちおろし、良い位置関係です。まだ相手には全く気付かれておりません。数分間を呼吸整えに使い、やがて呼吸も整いました。50㎝位ありそうな群れの中で1番大きなのに狙いを付けます。ゴートがちょうど撃ちやすい角度になるのを待って初弾発射、綺麗に倒れます。

群れは何処から射撃を受けたのか分からないらしく右往左往しています。やがて立ち止まった所で第2弾を発射、これも綺麗に倒れました。今度はすぐに立ち止まりました。まだどこから射撃されているのか分からないみたいです。第3弾も命中、これも綺麗に倒れました。3発連続ヒットに気分を良くしました。

ここでやっと群れは射撃を受けている方向が分かり反対方向に逃げ出しました。しかし微少斜めの殆んど真っすぐの為にリードは不要な程の角度です。50cm程走る側の横を狙い、そこに達するを見越して引き金を引きます。達した事を確認して撃つと古い虚像を撃つ事になり失中してしまいます。

こうして4発目、5発目と連続で走り去るゴートに命中、この頃は180m前後になっておりました。5発5中、最高です。昨晩の特訓が実ったのか、はた又射撃直前の呼吸を整えた事が良かったのか、快挙です。その後3発の弾を補給し230m級ランニングを試しましたが、1~2発は当たりましたがあまり有効では無かったらしく未回収になってしまいました。


         150~180mに掛けて5発5中の快挙。左の大物の角長は48cm。

ターキー捕獲ドギュメント:
ターキーの大きさは鶏よりも遥かに大きく体重は10kg近くにまでなり、雄の顔には鶏冠が垂れ下がり赤や青の鮮やかな色をしております。体の羽の色は暗緑色のメタリックが主体ですが黒っぽく見えます。これもNZには本来は居ない鳥で狩猟用にアメリカから持ち込まれた物が自然繁殖しています。普段は走って逃げますが緊急時は見掛けによらずよく飛びます。鳥目で夜は見えないので安全な高い木に止まって寝ます。

アメリカでは非常に人気のある猟で陸鳥の中ではダントツ(水鳥のダントツはカナダガン)の人気があり、コール笛を使っての待ち撃ちがメインです。今回の場所は同じロスさんの牧場内ですが、別のエリアです。彼の牧場は3000エーカー(12平方km、3.5km四方の広さ)もあるのです。ターキーは猟犬を使う地域もあるそうですが、当地では使いません。

ここでは広い草原を走って逃げ散弾銃は射程外になってしまう事も多く、100m弱を22LRで撃つのがメインです。もっと早立ちが強い地区では223レミントン等を使い150~200mで撃ちます。NZではターキーは家畜であり、狩猟法の適用を受けませんのでライフル銃も使えます。

ターキーエリアに着きましたので車を止めて以後は歩きアプローチです。
丘を一つ越えると300m先に10羽位の群れが2つ見えます。もうこちらを警戒しています。少し迂回寄りに姿をあまり見られない様に接近します。やがて50m先にチラと見えましたが、群れの最後が目前の谷に降りる所でした。


 ターキーは前方の谷に向かって走り、その後3回中の2回は前方の斜面を掛け上がりました。
  そして3回中の1回の半分の鳥はその斜面に向かって飛び去ろうとしました。


急いで距離を詰めて谷から駆け上がる所を待ちます。まもなく先頭の群れが上がって来ました。すでに距離は50m位あります。ターキーは振り返りながら賑やかに鳴きながら早歩きで逃げます。リードを少し取ってクレー射撃の感じのスイング射撃で銃を止めずに走って逃げるターキーを撃ちます。10発マガジンが空になるまでに少なくとも3羽、希望的には5羽に命中した筈です。

ところが1羽も転がっていません。加藤ガイドが急いで弾を込めろ、次の群れが来ると言います。確かにもう次の群れが50m位の所に見え始めています。弾を込め射撃可能になる頃には100m位の距離になりました。ここから120mに掛けて又10発を撃ちました。少なくとも2羽以上に命中しました。ところがこれまた1羽も転がっておりません。

140ft-lbsものエネルギーの弾をまともに喰らってもターキーはダウンしないのです。この被弾強さには驚きました。すぐに追跡です。ところが追跡の途中でまた別の群れが谷に入るのを見付けました。これも10羽程度の群れです。先程の経験から上手く私が走り込めば距離を50m以内に出来ると考え今度はショットガンの愛銃を選びました。

幸い適当な射界の場所がすぐに見付かりそこに走り込みました。銃をスキートスタイルで構えて鳥が駆け上がるのを待ちました。
予想に反して1羽のターキーが飛び出しました。多分私の走り込みが急だった為に緊急避難術を使う事になったと思われます。そしてこの時に初めて聞いたのですが、ターキーの飛び立ちの音はまるで20mm機関砲の様な「ドッドッ・・」と言う羽音でした。

これに対して35m強で4号散弾1発、撃墜。1丁上がりです。5発フルチャージのSKBは非常に重量バランスが良いのです。次いでその銃声で3羽が殆ど同時に距離は30mで飛び出しました。3羽まとめて飛び出しはまるで20mm x 4丁の射撃音です。

トリプルトラップの様に3羽とも撃墜と行きたかったのですが、残念ながら順調にヒットしたのは3羽中の2羽目まで、3羽目には残2発を撃っても撃墜出来ず、5発を撃ち尽くしまい弾切れです。NZでは連発制限はありませんから愛銃も加藤ガイド(銃の改造や販売もしている)に5連発にして頂きました。もちろん日本に帰る時には又3連発です。

次いで飛ばなかった残りの群れが斜面を掛け上がります。普通は数羽が飛べば全部飛ぶと思うのですが、何故か彼らは走って逃げます。急いで弾を2発込めます。自動銃の利点で1発はポートから放り込み次いで閉鎖すると同時にマガジンにも1発が入れられます。銃を裏返しにする必要はありません。

ランニング射撃40mで更に2羽命中、共に転がり落ちるのが見えましたがここで弾切れ。もう予定を上回る5羽を撃墜しましたので以後の射撃を中止します。

ところが5羽転がっている筈なのですが、なぜかそこには1羽もいません。4号36g装弾を40mでまともに喰らった筈なのに全て半矢です。その被弾強さに改めて驚きます。
全員で追跡開始、私は愛銃のショットガン、ガイドの加藤氏は22LR、牧場オーナーのロスさんは丸腰で追い掛けます。

私が息も絶え絶えにやっと1羽、加藤ガイドが1羽を捕獲して残りはもうダメかと思っていた所、牧場オーナーのロスさんが2羽ぶら下げて現れました。NZ人のパワー恐るべしです。年齢はそれ程変わらないのに彼は斜面を走り回りターキー2羽を手掴みにして来たのです。最後のダブル撃墜の片方は未回収となりました。


 何はともあれ4羽捕獲成功でホッとしています。写真右はオブザーバー参加のQ生徒。
 2人で持っているターキーは特に大きく良く翼幅が140cm近くもありました。
  味の方はキジ(地鶏の脂が少ないヤツ)の様な感じで美味しいのですが歯応え十分でした。



 この大きさと美しさと美味しさ、アメリカ人がターキーに夢中になるのが分かる気がします。

ポッサム&ラビット猟ドギュメント:
夕食後はポッサム猟です。ポッサムはオーストラリアから持ち込まれた有袋類で中型犬よりやや小さいサイズで日本名は袋ネズミとなっていますが木登りカンガルーと言った感じです。木の芽を食べてしまう害獣です。

  牧場周辺の立木をバギーと徒歩で回ります。牧草畑にはラビットも稀に出て来ます。

多くは大木の中程から上の方に居て射程距離は15~30mです。これを22LRのスコープ付き自動銃で撃ちます。音は非常に小さく「ペチン」と聞こえ、ハイパワープリチャージ銃とそれほど変わりません。強力なサーチライトで照らしますと赤い眼が光りここを立ち撃ちで撃ちます。

赤く目の光るポッサムの写真撮影に随分チャレンジしましたが手前の枝がサーチライトで光ってしまい上手く撮れませんでした。弾はかなりの確率で小枝に喰われ跳弾は「チュイ~ン」と荒野の西部劇の音がします。命中すると「ポコッ」と大きな音がします。発射音が小さいのでこの命中音は誰にも聞こえる様です。

弾は安く反動もゼロに等しいのでそれこそ「パカスカ」撃ててしまいます。撃墜しても枝に引っ掛かって落ちて来ない物や、地上まで落下しても半矢で逃げる物もあります。地上を走る速度は思ったよりも速く広いフィールドならランニング射撃は出来ますが、森の中では困難です。結果は85発から11匹の捕獲となりました。


  ポッサムは有袋類、灰色、茶色、黒色の各色があり、柔らかくて良い毛皮になります。
  右側手前の2匹は穴ウサギ、こちらではラビットと呼び、飼ウサギもこの仲間です。
  左手前はヘアーと呼ばれるノウサギです。これらは50~100mのランニング射撃です。



  DayAMワイルドゴート猟、PM次の猟場に移動。
昨日は3種もの猟が楽しめました。ワイルドゴートの5発5中、ターキーも5発4中1羽未回収。そして85発の22LRから11匹のポッサム&ラビットと大猟の連続でした。本日も何か良い事が起こればと思います。

ワイルドゴート捕獲ドギュメントその3:大物未回収。
本日は最後のワイルドゴート猟です。数的にはもう合計で11頭を捕獲しており、十分な猟ですから本日は大物トロフィー狙いです。奥の山の上の方まで片道1時間強を歩きます。
本日は靄が掛かって遠距離はやや見難い日です。

やがて向かい斜面のやや高い所、森と牧草地の境界付近に大物のゴートが単独で居ます。体色は茶色の黒淵、角長70cm級です。多分群れの本体はすでに森に引き上げたと思われます。こちらを威嚇する様に睨み付けています。距離は240m、プローンで撃ちます。

幸い息も上がっておりませんし、良いプローンの台もありますから多分命中する事でしょう。狙い目は心臓です。発射、良い弾着音が帰って来ました。弾着は少々不明ですが命中です。しかし倒れません。すぐに2発目を装填、照準しましたが森に入られてしまいました。昨年に続きまたもやビッグトロフィーは未回収になってしまいました。


   大物は射撃距離が遠いし、良い所に当てないと回収不能になってしまいます。
   この難しさはエゾ鹿と同程度、今回も240m遠射で大物は未回収となってしまいました。



  Day6ワイルドブル猟。

  今回ブル猟をしたのはこの隣接エリアです。     これが目標のブルです。

場所はスラストフォードと言うNZ北島左端の場所。ブルと言う言葉は他の動物にもボス級の大物オスに対して使う事もありますが、本来はブルだけでオス牛の成獣を意味します。これに対しカウはメス牛、オックスは去勢牛と未成熟のオス牛を意味します。この猟も元は家畜であった牛がターゲットでワイルドキャトル猟(キャトルとは牛追いの意味)とも言います。体色は各種がありますが黒と茶と薄茶色が多い様です。

我々が通常に見るのは商業的な500kg前後の牛ばかりです。牛も鹿と同様にオスの方が各段にデカクなり、10歳を超える様なブルは体重も1000kgを超えて鹿の大物オスの様に別格の風格が生まれます。1000kgと言えば北海道のエゾ鹿の超大物でもせいぜい150kgですから7倍もデカイターゲットになります。308の弾頭は50㎝強の侵徹力がありブルの急所にまでは十分に届き、これで勝負する事も可能です。

しかし狩猟はロマンです。体重1トンと言えばアフリカのケープバッファローやアメリカバイソンそしてアジア水牛等と体重的には完全に同等です。これを超える大物はゾウ、サイ、カバの3種だけです。と言う事で本来の希望は銃もアフリカン、出来れば青年時代にテレビで見たあの500ニトロエクスプレス(570gr 5850 ft-lbs)の水平2連クラシックダブルライフルが良いのですが、その様な高価な銃はありませんので先にも紹介したガイドの加藤さんの所有銃であるイギリス製のBSAボルトアクションの458ウィンマグ(500gr 、4712ft-lbs)でクリーンキルを目指します。

当地のワイルドブルの先祖は1900年頃スコットランドから持ち込まれました。1940年頃から野性化しています。種類的にも色々な牛が雑種化しており、ロングホーンも少し居るそうですが多くの牛の角はあまり長くないそうです。(やや残念)

ワイルドブルの生息場所はワイルドゴートと同様に牧草地と奥の森林との境界付近になりますが捜索はヤギと違って森の中がメインとなります。ファームの鹿と同様に高い所までバギーで上がり適当なワイルドブルを見付けるとその近くまではバギーで行き、アプローチは風下から隠密忍びです。もちろん姿丸見えの隠密忍びはあり得ませんから森や林或いは地形を上手く利用して100m以内まで近寄って射撃します。射撃は立ち撃ちがメインとなります。

ワイルドブル捕獲ドギュメント:
本日は曇りで風の強い日です。これはハンター側にとっては臭いや音の気配をあまり敵に取られなくて都合のよい日であります。
猟場に入って30分、最初の黒いブルを300m先に発見しました。風下より姿を見られない様に音を出さない様に慎重にアプローチしますが、そこまで行くともう姿を消していました。ブルも中々の強敵の様です。

更に捜索する事2時間、今度は焦げ茶のブルです。500mで発見し、アプローチしましたがもう少しでアプローチ完了と言う時に感付かれて逃げられました。姿をチラ見しただけで銃も向けられない状態でした。

3回目は持参のサンドイッチを出先の狩猟小屋で食べてその後まもなくの事でした。
赤茶色の肌が300m先に見え隠れしています。あの毛色は上手く行くとロングホーンかも知れません。慎重に慎重にアプローチします。牛が草をむしる音が聞こえて来ます。
今度はアプローチに成功しそうです。やがて距離70m、30度下のシダの陰で草を食べているブルを発見、ニーリングで照準を付けます。

  ブルの居る所はこんな森の中、弾は木々の間をすり抜ける様に撃たなくてはなりません。

シダの葉が邪魔をして角の大きさが確認出来ません。やがて風が吹いて角が確認出来ました。残念ながらロングホーンではありませんし、あまり大物でもありません。パスする事も出来たのですが、撃たないで帰る事になってしまうかもしれません。

それもしゃくですから撃つ事に決めました。現在は体が斜めを向いています。狙い目は正面からは目と目の間の眉間、横からは耳の後ろの延髄です。やがて牛の顔はほぼ正面を向きましたので急所は丸見えの角度になりましたが、まだシダの葉が邪魔をしています。風を待たなくてはなりません。

間もなく風が吹きシダの葉がなびき、今度こそ完璧に眉間が見えます。その瞬間に引き金を引きました。「ドン」ブルは手足の力が急に抜けた様にその場に音もなく軟着陸しました。

ガイドが死亡確認に行きます。私はもし動き出した時に対してスタンバイします。やがてガイドが「OK」を出しました。そして多くの人がブルを撃ったが、今回ほど綺麗な命中は初めてだと言います。
私もこれほど綺麗な倒れた方は今までのエゾシカ1000頭中でも数えるほどしかありません。

さて眉間に見事命中かと思われた弾は実は15㎝近くも上にずれていたのです。角の高さで頭蓋骨を貫通し、頭が下を向いていた為にそのまま延髄を直撃した形になりました。その結果が綺麗な倒れ方となったのです。

           推定体重700kgのブル、アフロヘアーの上寄りに命中しました。


  DayAMグライダー搭乗、PMピーコックの猟場まで移動。
グライダーは強風の為に飛べない事になりました。本日の行事は北島北部のオポノニと言う地区まで移動だけになりました。


  Dayピーコック&パラダイスダック猟、夜オークランドまで移動。
ピーコックは牧草畑と森や林が点在している地域の森に住んでいます。日中は牧草畑で餌を食べます。クジャクも東南アジアやインドでは本当に野性の鳥で、NZのクジャクはインドから持ち込まれました。胴体サイズはターキーよりかなり小さく、体重も5kg程度ですがオスの尾羽は非常に長く全長は1.5m以上になりターキーに比べてもかなり大きく見えます。この鳥もターキーと同様に普段は走って逃げますが、緊急時には見掛けよりも良く飛びます。

またキジと同様にブッシュに潜む事もありますが、多くは超早立ちでその為にショットガンはおろか22LRも射程不足となりライフル銃で撃つ事が多いそうです。

          ピーコックの猟場はこの様な森や林が点在している場所です。


 インドクジャクです。その美しい姿とはイメージの違う大きな声で「クエーッ」と鳴きます。
 小さなブッシュに隠れてしまうかと思えば忍者の様に無音で走り風の様に飛び去ります。

ピーコック捕獲ドギュメントその1:忍者ぶりに完敗でした。
40m先の林の中に潜むオス1羽を発見。道具はどちらにしようか迷いましたが、加藤ガイドのライフルの方が良いでしょうの言葉に従いました。
こちらのピーコックはターキーと比較にならない位の超早立ちでしかもターキーの2倍位俊足の持ち主です。体重はターキーの半分位ですからその面からすれば22LRでも良いのですが距離と速度から言ってすぐに100mを超えますから使い慣れた308が良いでしょうと言うのが加藤ガイドの見解でした。

あの輝く全長1.5m強もある体をどうやってと思う位、ピーコックはまるで忍者の様に木やブッシュの陰に上手く隠れます。シルエットの1部を数回チラ確認は出来ましたが、銃を向ける暇もない程に木々の間を意外と速く移動して行きます。

結局は林から走って出てそしてそのまま飛び去りましたが、ここで更にピーコックの忍者ぶりに再度驚きました。走る速度も本当に速いのですが無音、更に飛び立ちも無音でした。1回目は全くの完敗でした。

ピーコック捕獲ドギュメントその2:150m失中。
ピーコックは数羽の群れで居ますからまだその向こうにもいる筈だと言う事で林を回り込みました。150m先に1羽います。我々を視認するとすぐに走り出します。途中で1度だけ振り返りましたのでそこを立ち撃ちで撃ちましたが、上方20cmで着弾の失中。次いでランニングショットを試みましたがやや後落の下方の失中でした。これも完敗です。

ピーコック捕獲ドギュメントその3:120m失中、3連続の完敗です。
同じ群れと思われるオスがもう1羽いました。先の銃声で走り始めました。距離はやや近く120mです。立ち止まりました。すかさず狙って撃ったのですが引き金のタイミングが合わず微少下方の着弾で失中、ガイドの言うには「やった」と思ったそうです。これは着弾が近かった為にすぐに飛び去りランニング射撃は出来ませんでした。これも完敗です。この3回の中では単純な射撃ミスであった故に1番残念です。

この分で行きますと10戦しても獲れないかもと思いました。今回の猟の中でもそうですが、私が過去対戦した中で1番の強敵です。反省点として1回目はショットガンだったら半分位の確率で獲れたかもと思う点があり、今後は距離が近ければショットガンで行く事にしました。

ピーコック捕獲ドギュメントその4:ランニングショット成功です。
場所を隣山に変え、高台から偵察します。現地ガイドはマオリ族のジョーと言いますが、これがスーパー視力の持ち主。彼が1km位先の木の根の下に1羽いると言います。
彼は肉眼です。かなりやり取りをして加藤ガイドも双眼鏡で確認しました。私は彼の言う所が分からず確認出来ませんでした。

銃は両方用意して近くまで車で行きます。50m以内と思われる所まで来ましたのでショットガンを手にそっと車から降りました。ピーコックは当然我々の事を知っているのですが、ジョーの言うにはまだ林から出ていないとサインを送って来ます。

林の裏に回り込もうとした時、林から出ようとするピーコックのブルーの背中が一瞬見え、ブッシュに隠れました。そっと距離を詰めながら飛び出しを待ちます。

距離は20mを割りました。この時ピーコックは突然向きを変え、林の中に走り込もうと行動を開始しました。ブッシュからはブルーの背中の移動しか見えませんがもう1mで林に入られてしまいます。そこでスイングしながらブッシュもろとも射撃しました。命中です。

    距離15mランニングショット、近過ぎてやや損傷が大ですが念願のピーコックです。

ピーコック捕獲ドギュメントその5:飛鳥撃墜。
また隣山に移動しようとする時でした。牧場道路脇の林に1羽いるのをジョーが見付けました。今度も近そうですからショットガンの勝負で行きます。
ジョーのサインでは俺が林の中から追い出すから出口で射撃しろと言う感じでした。しばらく待ちました。その時ジョーを見るとこっちだと手招きしています。その先25mに隠れて尾が出ていると言うのです。尾の位置は分かりましたが、体の方向は分かりません。

尾を必要以上に傷つけるのも何ですから少し上を撃って右か左かに飛び出した所を撃つ事にしました。場所的には左の方がかなり空いていますが、今私はそちらから来ましたからその経緯からすれば右に出ます。

追い出し射撃をしました。ビックリするくらい早くピーコックが飛び出しました。右です。
思い切りスイングしながら引き金を引きます。もちろん銃を止めてはなりません。ピーコックは1.5m飛んだ所で命中し2.5mの地点に落下しました。即死です。ジョーはニコニコ顔で「ウェルダン」の連発です。今度は適度に被弾し損傷も軽微でした。

あの小さなブッシュにほぼ完ぺきに隠れ、そして飛び出す時にも音も殆んどしませんでした。
ピーコックのスーパー忍者ぶり、特と拝見出来ました。
こうしてライフルでは3戦3敗でしたが、ショットガンでは2戦2勝となりました。

  ピーコックは本当に強敵。2羽捕獲に成功し、今回の各狩猟の中でも1番の思い出です。

パラダイスダック猟ドギュメントその1:定数に至らず、80発で21羽。
パラダイスダックは日本語で黒赤ツクシガモと言いますが、その名の通り雄は黒色、メスは明るい茶色に白い頭です。ツクシカモ類はマガモより1.5~2倍ほどの大きさで日本には有明海にしか渡って来ません。パラダイスダックは水辺近くの草原や草地に大きな群れで居る事が多く、その付き場にデコイを置き。時によってはコール笛も使いおびき寄せます。

パラダイスダックの捕獲定数はこの北部地区では25羽/日で、他にマガモ&カルガモ合わせて15羽がOKと言いますからカモ類合計で40羽、たった5羽の日本とは大違いです。

今回は牧草地とトーモロコシ畑が猟場です。境のフェンスに鳥屋を作ります。デコイをセットしますが、段ボールに絵が書いてあるだけです。
弾は4号、36g弾、本当は32gの奴を希望したのですが安売りはこれしかなかったそうです。余談ですが、ダック猟は5月~7月初めまでですから終り頃になると弾も随分安くなるそうです。


                  トーモロコシ畑と牧草地の間の鳥屋。


                段ボールのデコイをセットし待ち受けます。

ダックは風下から侵入します。コツは十分に引き付けるまで動かない事でそれに成功すればダブルやトリプルは連発が3発に制限されていないNZでは容易の筈でしたが、実際は速度が予想以上に大でリードが合わずに思ったよりも多弾数を消費しました。

それでもトーモロコシ畑側では射界の問題は無く3回着地させダブル3回を行い、内2回は3羽目も撃墜出来ましたが、共に3羽目は未回収になってしまいました。
牧草地側は200mの位置に牛がいる為に着地以前の高度5mで撃ちますのでまだ残速が高くダブルはなかなか難しく、1度も成功しませんでした。

パラダイスダックは60度以上の急降下も行う程の飛翔力の強い鳥です。着地寸前まで引き付けないとまだ残速が大で頭では分かっているつもりでも結果的にリード不足に陥りがちでリードを追加しながらの連射をしてやっと3発目に命中と言うのも3度ありました。

日暮れまで3時間の猟を行って約30回の飛来がありました。
射程内まで来なかったのが5回、全弾失中が2回、ダブルが3回、未回収が4羽、合計80発を消費し、手元には21羽が回収されました。

銃はフランキ3.5インチマグナムとSKB1900の2.75インチStdと2種を比較をしてみました。結果は当たればもちろん強力さは発揮出来ますが、フランキ3.5インチマグに慣れていないので命中率が多少低下してしまう為、どっちもどっちと言う結果になりました。
使いこなせばこの大型パラダイスダックやカナダガン撃ちではやはりマグナムに軍配が上がる事でしょう。

        全弾失中が30回中の2回に留まったのは日ごろの練習のお陰です。


  写真左:パラダイスダックと愛銃、左2羽がメス、右2羽がオスです。
  写真右:同じ愛銃とカルガモです。如何にパラダイスダックが大きいかが良く分かります。



  パラダイスダックのオス。         同メス。         ダックを回収中の筆者。

パラダイスダック猟ドギュメントその2:ナイター猟。
その後更に日本では考えられないナイターコースを体験しました。約1時間に8回の飛来があり、4回射撃して3羽を撃墜しましたが、暗くて落下場所が分からず全て未回収となりました。後刻ガイドのジョーからの連絡であの3羽は回収できたとの事です。


  DayNZからの出国と日本への再入国。2011.7.2.
飛行機の出発は朝8:30ですがトラブルがあると行けませんので多少早めに空港に入ります。基本的にはNZの出国は入国時より簡単です。普通の搭乗手続きを普通通りに行いますが、銃の分の荷物タグを出してもらってからサービスカウンターで追加運賃75ドルを払いに行きます。その後オーバーサイズ手荷物受付に持って行けばこれで終了、警察窓口には行く必要がありません。

日本に夕方17:30頃に着きます。まずはパスポートチェック、そしてクルクルから普通荷物を受け取り、銃は航空会社職員より手渡しを受けます。そして税関の所では正規に持ち出した銃である事を口頭申告すると別室で書類と銃番号等の確認があり、日本から出る時と同様に帰国確認の裏書きを貰って終了です。この輸出許可証は後刻返納しなければなりませんから無くさない様にしなければなりません。

NZからはどの動物のどの部位であっても特に持ち出しの規制はありませんが、日本では
肉類やトロフィーは基本的には日本国内の家畜に病気を持ち込まれるといけないので消毒した物(それなりの書類が必要)以外は持ち込めません。またクジャクはワシントン条約の対象で原産地証明が無いと持ち込めません。

トロフィーは別料金で剥製屋に於いて加工消毒してもらい原産地証明等の書類と共に後刻送付されて来ます。先回も4か月後に送られて来ました。詳しくは7-2項参照。
  


Posted by little-ken  at 11:19海外狩猟

2012年01月23日

番外編:2010年シカ猟。

番外編:先回 (2010年度) の 赤鹿猟 &ファロー鹿猟。 

  ファームの狩猟制度。
先回2010年の猟のメインはこれ、この狩猟はファームの狩猟です。場所は北島のほぼ中央のトンガリロ国立公園の1角のラファーファームと言う所で行いました。現地前払い済の1式価格6000NZドルには500ドル相当の8ポイント以下の2頭が含まれており、これを上回る鹿を捕獲した時は鹿の全ての枝角までを含む角長の全合計結果とポイント数によるNZ狩猟協会が決めた一覧表の価格が請求されます(かなり高額です)。

しかしこの方法ですと後刻にビックリする様な価格が請求される恐れがあります。赤鹿のトロフィー級は1時期に比べますとかなり妥当な価格に近くなっていますがそれでも俗に3000NZドル(約20万円)と言われており、ファローとシカディアで俗に2000ドル(13万円)です。シカディアはNZ人やアメリカ人には人気のある満州原産の鹿ですが、北海道で何時もの様にスクールで撃つエゾ鹿の方がやや大きくそれでいて2万円の登録費で撃ち放題、結果的に1頭が3万円位で撃てますから日本の方が圧倒的に安価です。

こちらとしてもすでにエゾ鹿は80cm級を多数倒しており、明らかにこれより大きくないと意味がありません。12ポイント以上の赤鹿1頭と2頭目は日本には居ないファロー鹿の準トロフィー級の合計2頭を2000ドルの追加で話を付けました。


  侮れないファームの狩猟。
現場は林で囲まれた適当な大きさの草地が点在する高低差は殆どない地形です。ファームは柵の中ですが、5 x 10kmと非常に広く柵の存在は全く感じません。
まずは車で高台に上がり双眼鏡で鹿の群れを捜索し、適当な鹿が居るとその近くまでは車で行って最後は林の中を忍び歩きでアプローチします。ブッシュから銃身だけを突き出す形で近くの木に委託するかプローンで撃ちます。通常の射撃距離は100~300mです。

1.5日の間に11回アプローチしましたが、予想外の難易度でした。何とか射程距離にまでたどり着いたのは4回、残りはその場に着いた時にはもう鹿は居ませんでした。
何回かの空振りの後、ある時はファロー鹿1頭がブッシュ越しの50m先に居るのが見えますが、枝が邪魔になって撃てません。そっとそっと撃てる位置までほんの少し移動しましたが逃げられました。もう1度は林の先150mの赤鹿3頭に対して急がなければの心理と林の中のブッシュ超えの予想外のハードさが組み合わさり、その結果として息が上がり過ぎて失中してしまいました。

フィールドのゲームは失中しても未回収になっても多くの場合にリスクはありませんが、ファームの半矢未回収の場合にはリスクがあります。失中はOKですが、半矢になった場合はほぼ必ず死んでしまいます。ファームの鹿が1頭減少する事実は回収されても未回収になっても変わらないのですから未回収になれば代金だけ支払って涙の手ブラ帰還になる事も最悪の場合はあり得るのです。


  ラハーファームは北島の中央よりやや下のラエヒテと言う地名のトンガリロ国立公園の一角です。
  草地と林が適度に配置され赤鹿、ファロー鹿、シカディアの3種類が自然放牧されています。
  中央やや左下には赤鹿のトロフィー級がいます。この鹿へのアプローチは失敗に終わりました。



  ファロー鹿捕獲ドギュメント:150mでヒット。
また数回を空振りの後にファロー鹿5頭の群れにアプローチしました。今度のアプローチは大成功で林の出口の先約150mにファロー鹿が5頭、ノーマークで草を食べています。群れの中の2頭は中々のトロフィー級ですが残念ながら指定はNO.3です。そうなんです。先に金額を契約した場合はファーム側が撃つ鹿を指定するのです。

そっとプローンの姿勢を取り鹿が撃ちやすい角度になるのを待ちます。やがて鹿の角度が変わり体が真横になりました。まだ餌を食べておりノーマーク状態のままです。150mと言うのは撃ち頃の距離ではありますが一方で外し頃の距離でもあり、舐めて掛かってはいけません。狙点をショルダーの急所に合わせてそっと引き金を引きました。

良い感じで引き金が落ち、弾が出ました。「ドンッ」そして殆ど同時に「ボコッ」良い感じの命中音がして鹿はその場に足をすくわれて落ちる様に倒れました。他の鹿は一瞬何が起こったのか分からずキョトンとしてこちらを見ています。エゾ鹿でも稀に山から降りたばかりの鹿でこう言う事が起こります。すぐにボルトを操作すれば次が撃てる事もしばしばあります。今回の契約は1頭だけですからじっと見ている以外に方法はありません。4~5秒後、我に帰った残りの鹿はぶっ飛んで逃げて行きました。

私が撃ったファロー鹿は後刻計測すると角長58cmでボス争いに参加したらしく、各角の先端が全て欠けていると言う歴戦の強者でした。ファロー鹿は全身が普通に茶色の物、白色の物、そして今回の様な胴体部だけ白い3種が居ます。日本に於ける白鹿は神の使いだそうですが、ファロー鹿では白い種類もいるのです。

現場ではこの時の音に驚き300mほど先の森の中から6頭の赤鹿の群れが草地に出て来ました。4頭は中々良いトロフィー級です。撃てない事もありませんが距離も遠く位置関係もあまり良くなくこれはパスしました。


  
 本州鹿よりやや大きい角長58cmのファロー鹿です。角の先端が全て折れて何時と言う歴戦の鹿でした。


  赤鹿捕獲ドギュメント:250mでなんとか命中弾。
その後も空振りが1度、その次に赤鹿6頭の群れにアプローチしました。内4頭は良いトロフィー級です。射距離は250m、これ以上は草地で短縮出来ません。指定は群れのNO.4。日程も残すところ0.5日しかありませんのでやや不利ですが撃つ事にしました。鹿の群れは草を食べておりノーマークです。立ち木に半依託射撃で真横を向くのを待ちました。

狙うは何時ものショルダーの急所です。引き金を引きました。微少ブレた感じがしましたが当たらない事は無い程度でした。結果は音に驚いたのか50mほど遠ざかる方向に走り、立ち止まってこちらを見ています。他の群れはもう少し離れた所で固まってこちらを見ています。今度は300m、微少上を狙って第2弾を発射、今度は良い感じでした。しかし鹿は命中の感触を示さず速足で森に向かいます。

第3弾は歩行速度が大幅に落ちた所で撃ちました。また何の反応もなく速足になり、そして歩行速度が再び落ちた所で第4弾を撃ちました。また同様の状態で速足になり、間もなく林の陰になってもう撃てなくなりました。

どうして倒れないのか、絶対に何発かは当たった筈と思い、ガイドに聞くと「少なくとも2発は当たった。2発目の時は倒れるかと思った」と言います。気を良くして弾を補充しながら林をショートカットし追跡します。林を抜けると150mほど先を今にも倒れそうな感じでゆっくり歩いている鹿が目に入りました。すかさず銃を向けて立ち止まるのを待ちましたが中々立ち止まりません。ウォーキングのまま撃つ事にしました。

銃を止めずにリードはゼロで撃ちました。今度は被弾ショック反応をハッキリ示し、その場に沈む様に倒れました。近寄って被弾箇所を見ますと射入口は3つ、射出口は一つでした。最後の弾はショルダーの急所に命中貫通していましたが、1発はやや体の中央側、もう1発は更にもう少しずれており共に貫通していません。つまり第1弾は急所から少し外れた所に命中、第2弾はもう少し急所に近い所に命中、300mウォーキングの第3&4弾は命中しなかったと言う結論になりました。

被弾ショックの症状が見られなかった点に付きましてガイドは「そう言う事もしばしばある」と言う程度で良く分からないと言った感じでした。アフリカでオリックスを撃った時及び北海道でヒグマを撃った時も非貫通で無反応でしたがアフリカのクドゥは貫通しており被弾ショックを示しました。私の多数の経験値からの見解では非貫通時は被弾ショックを殆んど示さず、貫通の場合はショック反応が出るのではないかと思います。

赤鹿の結果は12ポイントの角長99cm、やや不揃いで形も良くないのですが体重220kgと明らかにエゾシカよりも大物、ファロー鹿を含めておかげ様で両者とも一応満足の行く獲物となりました。


  2010の赤鹿です。約220kg(エゾシカはMax170kg)角長99cmでした。左はガイドの加藤氏。
  サムライ気質の人で彼の愛銃はアリサカ38式改です。
  


Posted by little-ken  at 10:45海外狩猟

2012年01月23日

6.猟の装備。

6.猟の装備。 
  6-1.銃に付いて。
ライフル銃はStd口径からマグナムまで現地に用意されていますが、愛銃を持ち込みもOKです。口径は308や30-06のStdライフルでも十分です。弾はワイルドゴート用に40発、メインの大物用に20発、22LRは200発、12番の鴨撃ち用は200発、12番3.5インチマグ50発が用意されています。愛銃に対しても弾がStd口径であれば1式料金範囲内で用意してくれますが、マイナー口径の場合は本人持ちとなります。

愛銃を日本から持ち出す場合は日本側で輸出許可証の事前申請が必要でその申請には実費(2万円位)が必要です。NZでは入国時にNZ国内用の一時許可証を作ってもらわなくてはならず、これに25㌦程必要です。ライフル弾をご自分で持参される場合は弾の輸出許可(これも事前申請)も必要です。なお弾は余っても持ち帰れません。


  6-2.防寒に付いて。
NZは全般に暖かくまた湿度が高いので歩くと非常に暑くなります。それほどハードな所は歩きませんが1日に10~15㎞位を歩きます。
最も寒い時期の7~8月では稀に霜が降りますが牧草が枯れない程度ですから北海道の解禁猟並みで日中に歩くと全部脱ぎたくなる程です。5~6月の場合は厚手の上着は必要にしても水鳥の早朝待猟以外では防寒着は絶対に不要です。手袋も厚い物は不要です。


  6-3.猟装に付いて。
NZではオレンジの着用義務はなく、主に忍びか待ち撃ちです。緑が枯れませんからグリーン系の迷彩が有効です。大雨になる事は稀ですが1日の中でにわか雨はかなりの確率であります。従って迷彩のあまりかさばらないレインスーツが必要ですがサイズが特別でなければガイドが用意してくれます。歩くと暑くなりますのでそれらを入れる迷彩のサブザックがあった方が良いでしょう。足元に付きましても雨が多くぬかるんでいる事も多く、目立たない色のゴム長靴が良好です。足のサイズや形状が特別でない人はガイドが用意してくれます。
  


Posted by little-ken  at 10:41海外狩猟

2012年01月23日

7.猟の環境。

7.猟の環境。

  7-1.宿と食事に付いて。
宿はモーテル又は狩猟用のロッジになります。シャワーはありますが風呂はありません。
一応一つの部屋が与えられます。高級ではありませんがまずまず良好と言って良いと思います。朝夕の食事はガイドが作ってくれます。ご飯とみそ汁、それに朝は目玉焼程度、夜は少しNZ風が1品程度です。グレードアップを望まれる方は近くのスーパーで好みの食材を購入して自分で調理する事も又あまり高度な調理は期待出来ませんが調理してもらう事も出来ます。昼食はサンドイッチ等を購入します。

NZは自国の農産物を汚染から保護する為にかなり持ち込み制限があります。卵類、肉類、鮭鱒類、野菜や果物は一切ダメです。つまみ類の持ち込みはダメ元のつもりが必要です。
缶詰め類は大丈夫です。酒はワインやビールの類は安くておいしい物が現地で入手出来ますが、日本酒や焼酎の場合は現地で売っておらず、日本からは持ち込めますので持参がよろしいでしょう。お酒の飲み方は食事を美味しくする限界を超えてはなりません。ガイドは酒を飲みません。


  7-2.トロフィーの加工&輸送。
この部分に付きましては基本料金内には含まれず全額が本人持ちになります。先回は赤鹿、ファロー鹿、ワイルドゴートの3つのトロフィーの加工と送付を依頼しました。形状は何時も我々がやっているオデコ切りです。但し輸送コストを大幅に減少させる為に片方の角は根元でカットしジョイント加工を施し、合計530NZ㌦を支払いました。それほど高くない加工費だと思います。(日本到着は約4か月後でした。)
その明細は下記の通りです。
    ジョイント加工:75㌦ x 2頭 クリーニング :60㌦ x 3頭
    梱包費    :50㌦        輸出書類代  :150㌦
       合計    530NZ㌦(約35000円)& 運賃(120NZ㌦でした)

今回は大きな獲物もなくトロフィーは消毒してもらった上で持ち帰りましたので特にこの方面の料金の発生はありません。


帰国後ピーコック、ターキー、ワイルドブルのトロフィーを作って見ました。
また2010年度の赤鹿、ファロー鹿、ワイルドゴートのトロフィーも載せて見ました。


 ピーコック全体の20%を使ってトロフィー。 4羽の中で1晩綺麗なターキーで作りました。 


   ワイルドブル、中央上部が458の命中箇所。          角長53cmのワイルドゴート。


                      角長99cm.12ポイントの赤鹿。


                         角長58cmのファロー鹿。

                    

  7-3.NZの銃砲店。
世界の銃メーカーはアメリカとヨーロッパに集中しています。アメリカと言えば銃の国、アメリカのハンターが使っているのはレミントンやウインチェスターがメインかと思えますが実際はそうではなくそれらはやや少数派です。実際に多数使われているのはルガー、マーリン、サベージ、モズバーグ等々の日本的に言えば2流メーカーの銃です。

散弾銃のトップメーカーであるペラッツィの社長が言っていました。「オリンピックのメダリストの多くが我々の作っている銃を使っている。」「しかし我々の作った100万円以上の銃を使えば誰でもメダルが取れるかと言えばそれはノーだ。」「それどころか3流メーカーの銃を使っても我々の銃を使ってもその差は殆んど誤差範囲以下だ。」「しかし世界のトップになる為には600点満点の595点代後半が必要だが、この最後の1~2枚の時には他の高級銃メーカーの物よりも我々の作った銃の方が確実に役に立つだろう。それは結果が示している。」

オリンピックでメダルを取るにはそれなりの高級銃が必要ですが、通常のハンティングには道具の優劣は殆んど誤差範囲で必要なのは獲物に負けない肝だけなのです。アメリカのハンターもNZのハンターも普及品の銃を使う理由はその銃を使っても数倍高価な銃を使っても特に性能の差が無い事を知っているからなのです。

しかし使っている銃と憧れている銃は別物で、近年はインターネットの普及により世界的に情報差が少なくなり、又メーカーも魅力的な新製品や普及価格の新製品を出すなど世界差は少なくなりつつあります。
日本でも人気のある銃はここNZでもやはり人気があり、殆んど傾向は同じと言えます。

しかし違う点も幾つかあります。まず目に着いたのが日本で全く見られない日本製のホーワ1500のライフル銃、中級品ですがコストの割によく出来ているとの評判です。他に安売りメーカーとしてロシアのバイカルや中国のノリンコが安価な商品を供給しています。

銃は以前では田舎の雑貨屋のコーナーにもありましたが、数年前の法律改正で銃置き場は鉄格子で囲わなくてはならなくなり、小さな町の雑貨屋では弾だけで銃の姿を見る事は無くなりました。

中程度以上の町に行けば釣り具やキャンプ用品の店が銃や弾も取り扱っている店があります。極めて普通に銃のコーナーや弾のコーナーが釣り具のコーナーと並んでいます。これはアメリカ以上に銃を使える機会があるからなのです。

銃の価格も日本よりはかなり安いです。ベネリM2は19~23万円、レミントン11-87は10.6万円、サコー85は18.5~22万円です。ホーワ1500は10万円程度からカスタムが出来る事でかなり好評です。

しかし安価な方面ではバイカルやノリンコは2.8~4.3万円で狩猟用のライフルやショットガンが買え、モシンナガンの軍用ライフルなどは新銃でも1.8万円の価格が付いています。
ピストルも一般の銃砲店には置いてありませんが条件付きで所持は可能です。CZ75が11.4万円、ベレッタ92Fが11.7万円、S&WのM629が12万円です。

弾の価格は12番の狩猟用が25発箱で1000円強、安売りの射撃用は600円、308が20発箱で4200円程度、安売りの308は2300円、22LRは500発の箱で6300円でした。(NZ㌦は2011.7.で71円/NZ㌦)


  片方はフィッシング、反対側はハンティングのコーナー、他方はキャンプ用品のコーナーです。


  銃は法律改正で鉄格子の中になりましたが、安売りの弾は床にそのまま積み上げられています。
  中央に高く積み上げられた箱は散弾の250発箱です。この単位の取引が多い様です。



  7-4.NZのハンティング雑誌。
2010年の赤鹿撃ちのラハーファームのロッジには表紙にSIKAと大きく書かれたシカディア特集号のハンティング雑誌がありました。ページを進めると鹿と言う漢字や英語でスクールや北海道とも書かれています。更にページを進めると驚いた事に何と筆者の写真が出ているではありませんか。
鹿や自然の写真はNZの物と思われますが、ここでこの雑誌に出会ったのも何かNZとの縁を感じます。


 写真左:ハンティング雑誌の表紙。角長65cm程度、このクラスなら毎日捕獲出来ます。
 写真右:スクール関係記事の最初の頁。写真の鹿は斑点がありエゾ鹿ではないと思います。


 
     記事の内容の頁-1。           記事の内容の頁-2。


  
  私の写真部分だけを右に拡大しました。
 上段写真:ベストトロフィーとなっておりますが現在NO.3。写真を送った時点ではNO.2でした。
 中段右写真:上段写真と同じ鹿で02年紋別にて捕獲。現在もこの記録は破られておりません。
 下段左写真:04年20日間で捕獲した鹿で雑誌では1シーズン(NZ感覚丸1年)と書かれています。
 下段右写真:筆者の飛び道具研究の資料室です。


これらは2005年にAU横断旅行をした際に田舎の銃砲店で偶然出会った雑誌記者の求めに応じて帰国後に日本の狩猟に付いて書いて送った物だったのですが、すっかり忘れていました。まさかNZのここで出会おうとは夢にも思いませんでした。雑誌は英語ですから内容は良くは分かりません。しかしかなり適当に書き換えられている様です。例えばトロフィーずらりの写真は英文の説明は1シーズンの捕獲量となっていますが実際は2004年11月初めからのたった20日間の捕獲量です。

私は日本語でそれを正しく書いて送ったのですが、雑誌では1シーズンとなっておりました。NZでは鹿がフルシーズン撃てますので多分1シーズン=1年の捕獲量として読者に理解されると思います。しかし1年間で見ても驚異的な捕獲量らしく本当は20日間と聞いたらNZの読者にはきっとアンビリーバブルを通り超えてクレージークラスなのでしょう。
NZのガイドの加藤氏もこの桁違いの捕獲量にはびっくりしていました。これらの事も北海道の鹿猟場が世界的に見ても如何に抜群に優れているかの証明になります。

NZの狩猟雑誌にもう一つ北海道の素晴らしさを裏付ける記事がありました。 
  NZのハンティング雑誌にはメス又は子供の鹿の写真がずいぶんたくさん出ています。
  北海道でしたらまず撮らない写真ですが、NZでは撮るに値する写真なのです。
  それは半日間でしたが本当の野性鹿の猟場を見せて頂く機会があり分かりました。鹿の姿は見ず
  に終わりましたが、新しい足跡や糞が大量にあり、北海道のエゾシカ並みの鹿の生息量を確信し
  ました。

  しかしここは年中温暖で緑が枯れない為に鹿は全く移動しない動物との事です。そうなって来ま
  すと余程のベテランハンターでない限り何時も鹿の一方勝ちに終わり、こう言う猟場での大物
  捕獲は殆んどあり得ない状態になります。結果として獲れるのはかなり若い個体に限られます
  が、それでも本物の野性の鹿を捕獲したと言う誇らしげな写真があれだったのです。
  
  NZは間違いなく狩猟天国であり鹿も豊富です。しかしたくさん生息している事と捕獲が容易かと
  言う事は全くの別問題だったのです。


北海道なら純野性の角長65cmクラス(雑誌の表紙の鹿クラス)の3段角であれば掃いて捨てる程とは申しませんが、出会った数頭に1頭がそのクラスです。3段角であっても70cmを超える様な大物でないと写真を撮る気があまり起こらない程ですから自然物は小物やメスしか獲れないNZとその差は非常に大きいと感じます。

  


Posted by little-ken  at 10:11海外狩猟

2012年01月23日

8.後書き

8.後書き。
狩猟の醍醐味とは何なのか? それは多くのハンターが憧れている次の3つにあると思います。それは大物との勝負、大猟捕獲、そして遠距離射撃の成功の3つです。
大型動物ではアフリカやアラスカには負けますが、かなりの大型動物を安価に勝負出来ると言う点ではNZは十分に合格レベルです。

また大型鳥類では完全に世界のトップクラスです。大猟捕獲の点に付きましてもワイルドゴートやポッサムやウサギ類等々の多種類の動物及び大型鳥類に於いても世界のトップクラスである事に間違いありません。

2010年の時には赤鹿猟、ファロー鹿猟、ワイル後ゴート猟、ポッサム猟、キジ猟、カナダガン猟と6種もの多種の猟を僅か5日で体験する事が出来ましたが、カナダガン猟だけが不猟で残念な結果に終わりました。その使用弾数も半端ではなく合計214発、もちろん捕獲した量も47匹と半端ではありません。

今回の2011年版もそれには決して負けておりません。ワイルドゴート猟、ターキー猟、ポッサム&ラビット猟、ブル猟、ピーコック猟、パラダイスダック猟等の実猟5日で使用弾数290発、捕獲は63匹でした。

憧れの一つである遠射への挑戦も私有地に於ける自由射撃が実戦向きデータ収集を可能にし、そして実戦も比較的安価でしかも短期間に大量の出会いがあるワイルドゴート猟でこれを可能にしてくれます。

データ収集に数日掛ければ日本では10年掛かっても集められない遠射の実験データ量が得られると思います。そして遠射実戦にも数日を掛ければ数十例以上の実戦経験量が得られ、実験値の十分な証明になると思います。

実際にこれを主な目的としてNZを訪問するハンターも少なからず居るそうです。
読者諸氏も遠射に挑戦してみたら如何ですか? 1000NZ㌦/日、2人なら750NZ㌦/日の費用、これが高額ファーム以外のNZ猟の基本費用です。(NZドルはUSドルより少し安く60~70円)

以上の様に狩猟の醍醐味の3つ全てがサラリーマンでも手の届く価格で体験出来る国、NZと言う国の素晴らしさを皆様にお伝えする事が出来ましたでしょうか。また何時かと言わず来年もまた行きたい国、それがニュージーランドです。

最後に加藤ガイドの言葉を添えます。「NZが昔も今もそして今後も世界の何処よりも狩猟天国である事は間違いないと思います。」「しかしこの数年だけを見ていてもかつて良かった猟場がダメになっている所がいくつもあります。」「お越し頂くなら早い方が良いと思います。」との事でした。





  


Posted by little-ken  at 10:05海外狩猟

2011年10月22日

NZ猟の掲載が予定されていたF誌がなくなってしまいました。

ガッカリさせて申し訳ありません。本件に付いて経緯を少し述べさせて頂きます。

1.本件は私のNZ猟によろしければ同行取材しませんかとこちらから持ち掛けました。
2.編集部はそこまでの予算は無いから良かったらそちらで書いて下さいとなりました。
3.そこで独自に書き始めました。書くとあれも紹介したいこれもしたいとなり53ページの我なが
  ら悪くないと思われる作品になりこれを編集部に送りました。
  アフリカのナミビア猟の記事もまとめに入っている事も伝えました。
4.次回号(Vol.18)と更に次のVol.19(狩猟専門の特集号)のどちらに掲載したいかと言う話が
  ありました。出来れば早い方の号に触り(1~2頁位)を載せてその特集号に本格的と言う
  希望(10頁以上)も出しました。
  また同時に読者にとってNZ猟より魅力の大きなアフリカ猟も載せたいと言う希望を出しまし
  た。
5.触りの打診も少し具体的にありました。触りだけで終わってしまう内容でしたので余り少な
  いのなら載せない方が良いと言うこちらの意向も伝えました。
  今回は頁の都合が付かなかったと思い、別の機会に本格的に載せたいと言う意味です。
  今にすればこの時点でVol.19の狩猟特集号は出さない方向に決まっていたと思います。
6.10月20日、Vol.18が送られて来ました。
  編集長ではなく真丘氏の挨拶で突然Vol.18で終わりになるとありました。

本当にがっかりです。私の記事を待っていた読者さん、ごめんなさい。
真丘氏の最後の挨拶を見ますと書いてはありませんが彼が中心となって1.5年後を目安にスポーツ銃や射撃の専門誌として再出発したいとありますから狩猟はもう載せない様にも感じます。

感触としては狩猟に拘る編集側(狩猟者が銃愛好者の80%を占める)と営業部側(スポンサーである銃砲店の売上げの構成は射撃銃と弾が80%に達する)にギャップが生じて話が物別れに終わり、「Vol.19狩猟特集号」は日の目を見なくなってしまったと思います。

4x4マガジン社のスポーツガンガイドブックが狩猟を扱わない理由もここにあり、初期には少し載せていた狩猟記事も途中から載せない事になりましたので5年に渡ってスポーツガンガイドブックの1部を書いた私ですが手を引きました。

狩猟が銃を使うスポーツの全てだとは申しませんが、狩猟の練習に射撃があり、それが発展して射撃と言うスポーツに発展したのではないのでしょうか。また銃所持者の過半以上は今も昔もそして今後も狩猟がメインです。
ファンシューティング誌の求めている事と私がハンティングスクールや狩猟大全集を通して求めている事は大局的に見れば極めて近い筈だと思っています。

そこで今や宛先消滅で不明になってしまうかも知れませんが、下記を編集部に送りました。

         今後のファンシューティング誌に望む事。
ハンティングはショッピングでも自然旅行でもありません。
行けば出会えると思ったら大間違い、稀に出会えても殆どは射撃に至らない所か銃すら向けられません。時には運良く発砲に至れてもそれはダメ元射撃にもなりません。
狩猟にはこんな少しも楽しくない時期もありこれも初期の狩猟の本当の姿です。

簡単に獲れないと言う点では神崎さんの記事は共感が持てます。始めたばかりの女の子が大物を捕獲する事は絶対に無いとは言いませんが、かなり難しいのが現実です。
女の子モデルを次から次に取り変えて目先路線はすでに限界かと思います。本物の狩猟記事も載せるべきではないのでしょうか。

我がスクールの生徒はそう言った女の子より1桁以上レベルが高い生徒ばかりです。
またかなりの費用を自己捻出してチャレンジしておりますから気合の入れ方が違います。
そんな彼らでも10頭程度捕獲や10日以下の経験では大物鹿は獲れていないのが現状です。

野性鳥獣の方が五感や体力が圧倒的に優れており実はこうなるのが当たり前の事なのです。
幾多の困難を乗り越えて、銃と言う道具を使いこなし、新しい対野性の能力を身に付け、これらに打ち勝つ事が本当の狩猟の喜びなのです。

射撃にしても同様です。クレー射撃をやっていると言う事がカッコ良いと言うだけではすぐに壁に突き当たってしまいます。狩猟も射撃も外観からのカッコよさだけで始めた方の80%が3年以内に辞めてしまいその末路は哀れです。
そうならない為にも多少難しい本物に触れる記事も避けて通れないのではと思います。

従来の記事と共にこれら本物に触れる記事も掲載される事を強く望みます。
そしてこれがファンシューティング誌の生き残る道ではないかと思います。それだけではなくハンターも銃砲店も生き残るには上辺だけではなく本物の追求が避けて通れない道だと思います。

私がスポーツガンのライターを辞退した理由は下記の通りです。
銃の普及に狩猟(駆除含む)の話は避けて通れないと言うのが私の持論です。
スポーツガンにも「載せているカタログも70%が狩猟用の銃と狩猟用品」「だからもっと狩猟に関する事を載せるべきだ。」「何処の国のその手の本もメインは狩猟だ。」を申し出ていたのですが、結局狩猟を取り扱わない事になりましたので私は手を引きました。

スポンサーあっての出版事業ですが、一方で読者あっての出版事業です。
貴誌の求めている事と私がハンティングスクールや狩猟大全集を通して求めている事は本来極めて近い筈だと思います。私の豊富な狩猟体験が御役に立てる時が来る事を望みます。

                愛知県安城市美園町2-7-3 立石憲司郎  


2008.1.の根室で撮影した写真でこんなのもありました。この時のトロフィーは私が捕獲した物ですが、少し本当に通って頂ければ実猟10~20日で中クラス以上の大物捕獲にまで相当な確率で至れます。
心底、私は編集者である彼らにこそ本当の捕獲をしてもらいたいと思いました。

この写真の数年前、小川編集長は西興部で小さなゼロ歳のメスを自力で倒しました。会心のヒットではありませんでしたが、あの時の銃を天に掲げ魂の雄叫びを上げている小川(岩田)編集長を忘れません。
あれは本物です。演技では出来ません。ファンシューティング誌の中で1番輝いている写真だったと思います。


NZ猟の掲載:
解禁猟終了後から順次アップして行きたいと思います。  


Posted by little-ken  at 17:25海外狩猟

2011年07月23日

NZのトロフィーが出来ました。


      全体の20%位でピーコックのトロフィーを作ってみました。


      捕獲した4羽中の1晩綺麗だったのをトロフィーにしました。


      中央の上部が欠けている所に458が命中しました。  


Posted by little-ken  at 11:04海外狩猟

2011年07月08日

2011.NZ猟、速報

とりあえず写真を載せました。文章に付きましては多忙に付き当分掛かりそうです。
又ファンシューティングにも掲載される予定ですからお楽しみに。こちらは買わなきゃダメですよ


    ワイルドゴートも豊猟です。


    ターキーも豊猟でした。


    左の大きいのがヘアー(野ウサギ)、右の2匹がラビット(穴ウサギ)、奥がポッサムです。
    22ロングのリムファイアーで撃ちます。


    ブル(オスの野性牛)です。メスはカウ、オスの若いのや去勢したのはオックスと言います。


    ピーコック猟も成功しました。これが1番の強敵でした。オブザーバー参加のQ生徒です。


    パラダイスダック猟も豊猟と言えますが、これでも定数の25羽には僅かに届きません。

    又マダイとヒラマサ釣りも天候不良で実施出来ませんでした。

と言う事で狩猟に付きましては全て成功でした。
ファンシューティング誌を楽しみにしていて下さい。  


Posted by little-ken  at 11:47海外狩猟

2010年11月28日

NZの赤鹿、ファロー鹿、ワイルドゴートのトロフィーが完成。


      実測の結果角長は99cmでした。


      ファロー鹿の実測は58cm、ワイルドゴートは予想外に長く53cmもありました。

NZ猟、ナミビア猟に興味のある方はhttp://schoolgaiyo.militaryblog.jp/ を参照して下さい。



  


Posted by little-ken  at 15:40海外狩猟

2010年09月01日

N Z撃ちまくりツアー速報。

今回はNZ現地ガイドの加藤氏の好意で特別に安く(NZドル6000ドルで約39万円)、且つたくさん撃ちまくる事が出来ました。今回の費用は飛行機代が135000円、旅行保険が1万円程度、銃持ち込みの追加運賃が約6000円、NZの銃のライセンスが25ドルで1600円、鹿のグレードアップが2000ドルで13万円、トロフィーの加工と梱包と書類で530ドルで3.5万円、トロフィーの運賃は着払いで数万円、合計は約70万円となりました。

今回と同じ一人のツアーを営業的に行うと加藤氏の取り分2000 NZドルが追加されますが、皆さんに紹介するツアーは今回の経験を元にもう少し日程を短縮し、対象も厳選し、価格も適価に抑えたい、そんなのを加藤氏と共に企画しております。

まずは今回の速報です。全行程8日、実猟6日、以下はそのまとめです。

1.ワイルドゴート猟
野性化したゴート(ヤギ)を牧場周辺の山で撃ちます。黒、茶、灰、白、ブチ等各色がありますが、黒と茶色の物が多いです。大きさは本州鹿のメスより多少小型です。生息数が多く、5~10頭の群れが主体、射撃距離は100~200m、撃ち頃です。
現場は牧場周りのかなり急な山ですが、バギーで廻りますのでハードではありません。300m或いはそれ以遠の遠射にチャレンジする事も出来ます。撃ち方はニーリング又はプローン又はバギーをレストにして撃ちます。

今回は最初の0.5日(正味3時間)で数獲りにチャレンジしました。試射3発の後37発で21頭、翌日は1日(正味6時間)掛けて40発で16頭でした。合計は77発で37頭。

皆様にお越し頂く時には弾数40発(弾を持参の場合の制限はありません)、捕獲数10頭に制限したいと思っています。
NZ猟ではアフリカ猟の様に長いバイポットは使いません。プローン射撃又はニーリング射撃又は立木の半依託射撃の練習をしてこられる事をお奨めします。


ワイルドゴート猟は数が撃てる楽しい猟です。又獲物の迫力もまずまずです。群れで居ますから連射で複数頭の捕獲が可能です。

2.ポッサム猟
ゴート猟1日の後は夕食を牧場で頂き、暗くなってからポッサム猟です。サーチライトで照らしオープンサイトの22LRレバーアクションで撃ちます。距離は10~30mですが、慣れない銃でしかもオープンサイト、その上夜間でサイトも良く見えませんので中々当たりません。立ち撃ちの仰角60度以上が普通です。

2時間ほどで雨も強くなり中止しました。100~120発を撃って命中は15匹ですが、半数は木の枝に引っ掛かり落ちて来ません。また落ちて来ても半矢で走りだす未回収もあり、結局手元には6匹となりました。
スコープ付の銃で試射を済ませておけば、そして雨が降らなければこれも相当な数の捕獲が可能だったと思われます。ポッサム猟は今後も弾数&捕獲数とも無制限にしたいと思います。


ポッサムは有袋類、オーストラリアから持ち込まれました。灰色、茶色、黒色の各色があります。柔らかくて良い毛皮になります。

3.赤鹿&ファロー鹿猟
これが何と言っても今回のメインです。今回の撃ちまくりツアーに含まれている鹿は8ポイント以下の500㌦の鹿2頭が含まれており、これを上回る鹿を捕獲した時は鹿の全ての枝角までを含む角長全合計結果による一覧表で決められた価格が請求されます。
そこで10ポイント以上の角長85cm以上の赤鹿とファロー鹿の準トロフィー級の合計2頭を2000ドルの追加で話を付けました。

結果は歴戦級のファロー鹿を150mのプローンでその場に沈め、又12ポイントの85~90cmの赤鹿を250~300mに掛けて4発を撃って2発を命中させ捕獲に成功しました。

撃ち方は高い丘から何処の牧草畑に居るのかを偵察し、そこの射撃場所までは畑の間のかなり濃いブッシュの間を隠密歩きし、ブッシュから銃身だけを付きだす形で近くの木に委託するかプローンで撃ちます。射撃距離は100~300mです。

射撃ミスは認められ無料ですが未回収は話し合いとなり、多少の追加料金を出すかグレードダウンとなります。鹿猟以外の他の猟では失中及び未回収リスクの問題はありません。
次回皆さんにお越し頂く時には追加料金なしの基本料金内で10ポイント以上の赤鹿1頭を撃てる様にしたいと思っております。

希望されればグレードアップも可能です。12ポイント級やトロフィー級を希望される方は追加料金が1000又は2000 NZドルが必要の予定です。
2頭目の赤鹿を希望される場合は1000ドル、2頭目にファロー鹿を希望される方は1000ドルでStdクラス、更に1000ドルでトロフィークラスとなります。


体重約220kg(エゾシカはMax170kg)角長85~90cmの赤鹿を300mで捕獲出来ました。左はガイドの加藤氏、多くを語りませんがサムライ的雰囲気の良い人です。


本州鹿よりやや大きいファロー鹿です。角の先端が全て折れて何時と言う歴戦の鹿でした。

4.キジ猟
天候は無風の日が多く水鳥猟には向きません。そこで急きょ設定されたのがキジ猟で正味2時間、出会いは8回程ありました。ポインティングドッグではない為に射撃は意外と難しく、射撃出来たのは3回、ここから成鳥オスと若鳥オス各々1羽の計2羽を捕獲しました。
いずれも低く飛び出したのを距離30mでスナップ射撃でした。残り1回はダメ元遠射です。


雨で濡れてしまいましたがかなり大きく立派な雉でした。

5.カナダガン猟
これもダメかも知れませんがやって見る事にしましたが、やはり捕獲はゼロ羽でした。
私有地の200m直径位の池の前に牧草地にデコイ24羽をセットしての待ち撃ちです。3時間で合計10回弱の飛来がありました。射程内には4回入りました。

最初の進入は3羽、結果から言えばこれがベスト距離まで来ました。合図の不徹底から射撃が遅れて良い射撃ができませんでした。3発撃ちましたが効果は不明です。
その後1羽単独がまっしぐらに進入しました。2発を撃ち2発とも被弾させ、もう撃墜と確信し射撃を中止してしまいました。結果は近くには落ちずに遥か遠方に不時着しました。

次回以降は日程や価格の問題からこれらの鳥猟は全てオプションとし、雉猟よりもワイルドターキー猟、カナダガンよりもパラダイスダック猟(ツクシカモに近い)を500~800ドルで設定を考えております。


カナダガンは草食の鳥で水辺に近い草原又は畑に降りてエサを食べます。


6.次回NZ撃ちまくりツアーの価格。2010年版。価格は毎年変動します。

2人参加時:4500 NZドル。(約293000円) (NZドルは2010.8.で65円位)
1人参加時:6500 NZドル。(約423000円)

全日程6日、実猟4日(予備日1日含む)、ポッサム撃ち放題ワイルドゴート10頭、10ポイント赤鹿1頭。
・予備日の使われ方は本命の鹿がまだ獲れない場合、又はいずれも有料オプションですが2頭目の鹿追加やお奨めコースのターキー猟等の各種鳥猟が可能です。
・予備日の無料コースとして出会い率は高くありませんが自然林の鹿にチャレンジや市内観光(入場料等は要実費)があります。

・含まれる物:オークランド発からオークランド着までのハンティング費用1式。レンタル銃代及び弾代。宿泊費及び朝食&夕食。

・含まれない物:オークランドまでの往復航空券代(10~15万円)。旅行保険代。オプション及びグレードアップ狩猟分、トロフィー加工費及び輸送代金。酒代、昼食代(殆どサンドイッチです)、グレードアップ朝食夕食代。



7.NZのハンティング雑誌。

驚いた事にNZのハンティング雑誌に日本の鹿の特集があると思ったらなんと私の事が出ていました。

上と中段右の写真は同一で紋別郡の山中で2002年に捕獲した物です。
中段左はヒグマの足跡、下段左は英文の説明は1シーズンの捕獲量となってますが実際は2004年の11月初めから3週間の捕獲量です。もちろん私の単独猟です。

多分1シーズン3カ月の捕獲量としてもアンビリーバブルを通り超えてクレージークラスなのでしょう。この事からも北海道の鹿猟場が世界的に優れている証明にもなります。

下段右の写真は私の部屋ですが奥にあるのが98年に根室で捕獲した現在までの862頭中の最大の鹿です。
エゾシカに興味のある方はぜひこの世界ダントツの猟場である根室にお越し下さい。
ボランティア共猟コースの場合は実習費の負担が必要ですが、共猟ではない無料参加コースも有ります。
  


Posted by little-ken  at 17:09海外狩猟

2009年07月12日

1.ナミビアハンティング 概要報告。

  1.概要。
ナミビアは南アフリカの左上の国です。そして今回の猟場は首都のウイントフットから車で2.5時間ほどの場所で、ナミビアの上下方向はほぼ中央、隣国アンゴラとの国境近くのカラハリ砂漠の一角のゴバビスと言う所です。往復に丸4日を必要とし、現地で狩猟を丸々7日、更に帰途が日曜日で出発便が無い為に更に1日をリゾートで暇をつぶしました。


              特性の4WDバギーカー。


南半球は今の7月は北半球の1月相当の冬、朝はマイナス5℃位、日中は15℃位。北海道の解禁猟より朝が寒く、日中は暑い。服装はバックがグリーンのブッシュと枯れ草ですから私の着用している冬用迷彩が最適でズボンのジャングル迷彩は不適です。

狩猟方法は農場に住むゲーム(放牧と言えない事も無い)を車で周って発見し、風下から忍びで距離を詰めて撃ち獲る物です。広さは20km四方ほどあり柵の存在は全く感じません。北海道の様に人口も多くはなく、車も多くはないので車で接近した方が逃げられる率が低いと言う事はないのです。又北海道のエゾシカは天敵の狼が絶滅していますが、ナミビアではチーターやハイエナが現役である為に200m以内に近寄る事は意外と難しいのです。


           車の屋根の上やその他高い所から獲物を捜索します。


超望遠で撮影したクドゥとの勝負。中央やや左寄りの上にクドゥのグルグル角と頭の1部が見えます。あとはこのブッシュを迂回すれば良いのですが、残念ながらチラ見で終わってしまいました。

費用に付きましては現地の支払いが約5300ドル(送迎、ガイド、快適なロッジ、美味しい食事、ビールとワイン、4頭のゲーム代、1頭失中の罰金、獲物の処理、チップ、帰りのリゾート代の全て)で殆んど全てが含まれており、往復の飛行機代が22万円以外に必要なお金はお土産代、旅行保険、日本の空港までの往復交通費だけでした。
そんな訳で今回の総出費は土産代の1万円を含めて全てが75万円弱でした。

含まれていないのは剥製代やその送料等々だけで、今回は角と牙だけを送って貰う事にしましたのでそれほどの金額にはならない予定です。
安く行けたのはD生徒のおかげです。彼はアメリカ留学の経験があり、現地でハンティングの経験もありで、殆んど彼が1人で全てを自分で直接手配してくれました。

私が試しに南アフリカ専門店5社に見積りを取った所、4社はハンティイングを取り扱っていないと言う返事、残る1社は今回の費用の2倍強の見積りが来ました。
2000年頃まで東京にあった海外ハンティング手配専門のシンワールドも今回と同等クラスのアフリカは約100万円の価格でしたが、行った人の話では現地の支払いが再び同等必要との事でした。

しかも彼のおかげで愛銃のサコー75バーミンター改と何時もの北海道仕様のバーンズトリプルショックの弾も持って行ける事になりました。おかげで後刻紹介しますが今回のメインターゲットであるクドゥに300mで命中弾を送る事が出来ました。
結果的に言えばこのクドゥに命中(マグレ当たり?)するかしないかで成功不成功の分かれ目になるのです。

捕獲は115cmのクドゥ、90cmのオリックス、牙の長いイボイノシシ、写真にはありませんが可愛いスプリングボック、ファームの敵であるジャッカルとスプリングヘアー(カンガルーの様な野ウサギ)、合計6頭を仕留める事が出来ました。
D生徒の場合はクドゥ、オリックス、スプリングボック、ファームの敵までは同じですが、イボイノシシに代わって写真無しですがレッドハートビーストを仕留める事が出来ました。


            長い角が特徴のオリックス。

 
     日本の物より牙が抜群に長いイボイノシシ。


            馬の顔に角付けた様なレッドハートビースト。  


Posted by little-ken  at 10:02海外狩猟

2009年07月12日

2.ナミビア ハンティング ドギュメント。

2.狩猟ドギュメント。
全てのドギュメントを載せると長くなり過ぎますのでメインターゲットのクドゥだけに留めます。
クドゥはシカよりも牛やカモシカに近い種であり、成獣の角長は最大で130cm程になります。クドゥにも数種類ありますがここで生息しているのは1番大きいグレタークドゥです。
体重はムースには及びませんがエルククラスで成獣オスは400kg以上です。
メスは小柄で角もありません。角は初期の頃は年間25cmほど伸び、4~5年が過ぎ、スパイラルが2回転に近くなって来た頃からがトロフィーサイズと言える様になります。

目はそれ程良くはありませんが、耳は非常に大きく音と匂いには敏感で接近は必ず風下からの隠密でなければなりません。
実際5日目終了までに2人で10余回を対戦しましたが半数以上は空振り、つまりハンターの視界内に姿を現す事も無く立ち去ってしまいます。
1度だけあと2秒で撃てると言う所までアプローチ出来ましたが、残りの多くはチラ見で一方的敗戦が続きました。
狩猟もほぼ毎日何かが捕獲出来ますが、クドゥに関してだけは連続敗戦。5日目からはクドゥオンリーに焦点を絞りましたが、このままでは獲れないかもと思えました。

そして6日目、今日も朝からクドゥ狙いです。何時もは朝からチラホラとクドゥを見る事が出来るのですが、今日は10時になってもまだ1頭も見ません。
一番奥のエリアで隣との境界近くの場所まで来た時に状況は一変しました。何とオスのクドゥが群れでしかも群れが2つも居るのです。メスの5~8頭の群れも3つ居ます。

最初に見えたオス3頭の群れは谷の奥に入ってしまい見えません。もう一つのオス3頭の群れは谷の手前を走って隣地に逃れ様としています。
こちらは二手に分かれる作戦を取りました。D生徒とガイドのアレックスは奥に入った群れを追跡します。
こちらはガイドのニコと共に谷の手前を走るクドゥに対して3km先まで先回りを掛けますが、クドゥは予想よりも脚が速く先回りには至らない様です。

ところが実はもう一つのオス5頭の群れが車から見ると死角を走っていたのです。
すぐに下車をしてランニング射撃体勢を取ります。距離は100mですから十分に命中させられると思いますが、ここでは北海道と違い1頭幾らですからミスるとゲーム代700ドルと未回収肉代300ドル(ガイドの副収入となる)の罰金を取られます。又ガイドの指示に違反したとして更に罰金を取られます。

250m弱で群れは立ち止りました。先頭と最後尾がかなり大物です。ガイドの指示で最後部を狙って撃ちました。狙うは心臓です。ところが命中音はしましたがやや弱い感じでした。
ガイドはと見ると何も指示を出さずに群れの先を抑えるらしく走って行ってしまいました。
雑用係りのジョンに聞くと失中で木に当たったと言います。

この日のこの為のここ1番の射撃にミスるなんてガッカリです。どうせ罰金ならばランニング射撃をするべきだったと思いましたが、後の祭りです。
しかし気を取り直して状況を見ますと群れはまだ一つ残って居るかも知れません。又ガイドのニコが先を押さえに行っていますから群れが帰って来るかも知れません。
そこで谷が見える所まで独断で行って見る事にしました。

まもなくすると3頭の群れが帰って来ました。今は森の影でチラチラと見え隠れしながら走っていますが、まもなく視界の開けた場所に出ます。
すぐに近くの立ち木に依託射撃の準備をしますが適当な枝がありません。そこで今までやった事は無いのですが、枝に左手の薬指と小指を掛けて親指と人差し指でスコープリングを握って銃を上から吊り下げる射撃体勢を取りました。

クドゥの群れは予定通りに位置で止まりました。最後尾が1番の大物です。
300m強ですが意外と銃の安定は良く行けそうです。心臓狙いで1発撃ちました。命中です。
しかし群れは走り去りました。ガイドの指示を守らなかったし、クドゥは逃げられるし、これも典型的な罰金タイプです。
しかし遥々アフリカまで来て目の前のクドゥに対して撃たないではおられませんでした。

まもなくガイドのニコが帰って来ました。当然良い顔をしていません。とりあえず「ソーリ」で始めて経緯を話します。何処から撃ってどうなったと聞きますのでここから撃って、あそこでクドゥは小さくピョンと飛び上がったと伝えました。

現場まで行くとクドゥが走リ去った足跡がすぐに見付かりました。30mほど行くと地面に血の跡も少しありました。もう少し行くと立ち木の1.2m程の高さにも血の跡が付いています。そこから更に50m程追跡しますと所々で立ち止った痕跡があり苦しそうです。これは期待が持てそうです。
更に追跡すると突然足跡が乱れてその先10m程の所に倒れていました。命中場所はと見ると心臓を僅かに外れていますが、300mからの射撃を考えると十分に合格点です。


         角長115cm体重380kgのクドゥ。      

話が前後しますが、私が300m射撃をしてから約5分後にD生徒の方からも2発の射撃音が聞こえました。残った2頭が彼の方に向かった様です。
ガイドのニコは私のクドゥを見届けるとすぐにD生徒の方に向かいます。
後刻にD生徒の話では500m位の時にクドゥを見付けてすぐ近くの木の陰でじっと待ったそうです。150mで彼を視認して立ち止った所を心臓狙いで大きい方に射撃したそうです。

初弾発射、命中していると思うのですがクドゥに変化無し、急いで次弾を発射、それでも変化なし。3発目を装填して銃を向けるとクドゥが居ない、どうした事かとガイドのアレックスを見ると「コングラチュレーション」と言う。クドゥはその場で倒れて草の背が高かったので見えなくなったのでした。恐らく最初の1発のままでもまもなく倒れたと言います。

こうして私の独断から2人が一瞬でハッピーになったと言う訳でした。
ガイドの指示を待っていたら私の2回目の射撃チャンスは発生しません。今までの10回余の対戦から見てもう今回はクドゥ捕獲が絶望的になります。
D生徒側に取っても私があの群れを撃たなかったら、これも今までの確率からすれば素直に待ちに掛かるとは思えませんから彼のチャンスの可能性は大幅に減少したと思われます。

同時に2人のガイドも2頭捕獲でハッピーになりました。彼らも捕獲が無ければガイド料だけの収入しかありません。ハンター2人で1日が500ドルです。これには車代やロッジ代や食事や酒が含まれていますから手元には殆んど残りません。しかし捕獲すればゲーム代や肉代が入りますので3倍程の収入になり、更にチップも多少期待出来るからです。
ガイドのニコも私が彼に従いませんでしたから当初は良い顔をしておりませんでしたが、2頭捕獲にニコニコ顔になりました。「よく遠射を当てた、上手い」と言ってくれました。


           超大物2頭の捕獲で荷台に収まりません。

  


Posted by little-ken  at 09:48海外狩猟

2008年03月27日

ちょっとシャクな滋賀サファリに行って来ました。

あるハンターが30年掛けた海外猟の成果の総数約100頭を展示してあります。日曜日オンリーの開業で500円です。ハンター氏は現在85才で96年以来猟をしていないそうです。あまり訪れる人も居ない為、その内公開されなくなってしまうかも知れません。お早目に。
場所は信楽焼きで有名な滋賀県甲賀郡信楽焼町の一角にあります。1頭捕獲して剥製まで作ると遠征費含めて幾らになりますでしょう? 建物は幾ら掛かったのでしょう? 私ども庶民では手が届きそうで無い事だけは確かです。500円で見せて頂けるなんて夢の様です。
http://www.lbm.go.jp/kenhaku/shoukai/36.html






  


Posted by little-ken  at 15:27Comments(0)海外狩猟